日本では数多くの参加型モータースポーツが開催されている。JAF公認の参加型レースに的を絞っても凄まじい数がある。その中にはレースに詳しい人にも知られていないローカルカテゴリーもあることだろう。
この記事では「海外製レーシングカー」を用いたレースをご紹介する。これからレースデビューを考えている人や、出場カテゴリーを変更しようと考えている人は参考にしてもらいたい。
海外製レーシングカーを用いたレースとは?
海外で生産されたレーシングカーを用いたレースのこと。外国のモータースポーツ車両規定で作られた車両のため、JAFの車両規定には完全に一致しない。そのため主催者側が独自にJAFに認可を受けることでJAF公認レースとして開催している。
主催者が車両の輸入代理店となっていることが多く、車両の購入からメンテナンス、サーキット現地でのサポートまで対応してくれるケースが多い。また入門カテゴリーではレンタル車両でレースに出場できるレンタルパッケージを準備している。
海外製レーシングカーを用いたローカルレースを紹介
Legend Car Race
U.S.Legend Carにて製造されたレース専用車両を用いたレース。

開催サーキット | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|
スポーツランドSUGO | 2024年から開催 | – |
筑波サーキット | 2回/年 | 10~13台 |
LOTUS CUP JAPAN

LOTUS製EXIGE及びELISEのナンバー有り車両を用いたワンメイクレース。主催者が準備する車両レンタルパッケージあり。
クラス | 開催サーキット | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|---|
クラス1(EXIGE V6) | スポーツランドSUGO モビリティリゾートもてぎ 富士スピードウェイ | 5回/年 | 5~6台 |
クラス2(ELISE) | 上に同じ | 5回/年 | 4~7台 |
Audi A1 Fun Cup
Audi製1.4LターボのAudi A1を用いたレンタル車両によるワンメイクレース。主催者が準備するレンタル車両が用いられる。
開催サーキット | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|
スポーツランドSUGO 筑波サーキット 富士スピードウェイ | 5回/年 | 14台 |
BMW & MINI Racing


BMW製M2及びMINIを用いたワンメイクレース。ナンバー無しのM2、ナンバー無しのMINI、ナンバー有りのMINIの3つのクラスに分かれている。主催者が準備する車両レンタルパッケージあり。
クラス | 自動車登録番号標 | 開催サーキット | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|---|---|
M2 CS Racing Series F87 | ナンバー無し | スポーツランドSUGO モビリティリゾートもてぎ 富士スピードウェイ 鈴鹿サーキット 岡山国際サーキット | 6回/年 | 7~10台 |
New MINI JCW | ナンバー無し | 上に同じ | 6回/年 | 4~7台 |
New MINI CPS | ナンバー有り | 上に同じ | 6回/年 | 4~10台 |
TCR JAPAN Series
2リッター以下ターボエンジンの前輪駆動車をベースとした世界規格のレース専用車を用いたレース。
開催サーキット | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|
スポーツランドSUGO 富士スピードウェイ 鈴鹿サーキット 岡山国際サーキット | 4回/年 | 7~9台 |
Porsche Sprint Challenge Japan
ポルシェ製911GT3及びケイマンGT4のナンバー無し車両を用いたレース。
クラス | 開催サーキット | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|---|
GT3-Ⅰ | スポーツランドSUGO 富士スピードウェイ 鈴鹿サーキット | 8回/年 | 11~14台 |
GT3-Ⅱ | 上に同じ | 8回/年 | 2~3台 |
GT4 | 上に同じ | 8回/年 | 2~3台 |
Porsche Carrera Cup Japan
ポルシェ製レース専用車911 GT3 Cupを用いたワンメイクレース。
開催サーキット | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|
富士スピードウェイ 鈴鹿サーキット 岡山国際サーキット | 11回/年 | 10~12台 |
Ferrari Challenge Trofeo Japan
フェラーリ製レース専用車488 Challenge EVOを用いたワンメイクレース。
開催サーキット | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|
スポーツランドSUGO 富士スピードウェイ 鈴鹿サーキット オートポリス | 5回/年 | 15~26台 |
よくある疑問点を解説
レンタルパッケージとは?
レンタルパッケージというのは、レースに出場する車両のレンタル代、車両の運搬代、走行前後のメンテナンス工賃、メンテナンスにかかる消耗品、レース当日の出張メカニック費用などが全てセットになったサービス商品のこと。
レース当日にサーキットに行くだけでレースに出場できる
ドライバーはレース当日にライセンスと装備品一式を持ってサーキットに行くだけでレースに出場できるパッケージ商品だ。レース出場の準備に時間を割くことができない人にオススメの出場方法だ。
レンタルパッケージにはどこまでの代金が含まれているのか?
レンタルパッケージと言ってもパッケージに含まれ無いモノもたくさんあるので注意してほしい。
レンタルパッケージに含まれるもの
- 車両レンタル代(レースウィーク土日2日間)
- メンテナンス工賃(レースウィーク土日2日間)
- 消耗品代(レースウィーク土日2日間)
- 車両運搬費(レースウィーク土日2日間)
- レース用のタイヤ代
レンタルパッケージに含まれ無いもの
- モータースポーツAライセンス取得費用
- サーキットライセンス取得費用
- 練習用のサーキット走行券代
- レースエントリー費用
- JAF公認の装備品一式
- クラッシュした時の修理費
- ドライビングミスによるエンジン・ミッション故障時の修理費
- 練習用の新品タイヤ
- レースウィーク以外の練習走行にかかる
└車両レンタル代
└メンテナンス工賃
└消耗品代
└車両の運搬費
ケース・バイ・ケースで変わるもの
- ガソリン代
- レース用の新品タイヤ
レンタルパッケージのデメリットは?
車両準備に関しては至れり尽くせりのレンタルパッケージにもデメリットはある。それらを把握したうえでレンタルパッケージを利用するかの判断をしてほしい。
クラッシュしたときの修理は速やかに行わないといけない
レンタル車両をクラッシュなどで損傷させてしまった場合は速やかに修理を行い、車両を復元させなければならない。これが自分で所有している車両で出場する場合との大きな違い。自分の所有する車両であれば修理を先延ばしにしたり、少し見すぼらしくても安価に修理をする選択しを取れるが、レンタル車両の場合は綺麗な状態へ元通りに復元する必要がある。クラッシュしたときの修理費を予備費として確保しておく必要がある。レンタルパッケージによってはサーキット保険への加入が必須となり免責額が決まっている場合もあるので確認をしておこう。
効率的な練習が必要となる
レンタルパッケージを利用する場合のデメリットは練習量の確保が難しいことだ。多くの練習量を確保するのも不可能ではないが高額になるのと、時間効率を優先してレンタルパッケージを選んだ人ということは、何度もサーキットへ足を運ぶことが時間的に難しいということだろう。サーキットへ練習しに行くのと並行してシミュレーターなどを活用して効率的にドライビングスキル向上を狙うことが必要となってくる。
海外製レーシングカー以外にレンタルパッケージレースはないのか?
海外製のレーシングカーを用いたレースにレンタルパッケージが多いため、この記事内で紹介させてもらったが、もちろん海外レーシングカー以外でもレンタルパッケージで出場可能なレースもある。特に多いのは「富士スピードウェイ」で行われているローカルレースや「日本独自のレーシングカー」を用いて行われているレースだ。外車でのレース出場に抵抗がある場合は、別の記事で紹介しているカテゴリーも参考にしてもらいたい。
この記事の中に出場したいレースが無い場合は・・・
この記事では「海外製レーシングカー」を用いたレースをご紹介したのだが、残念ながら“この中には出場したいレースが無い” そんな人もいることだろう。その場合は他で公開している”各サーキットごとのローカルレース”と”全国的に共通レギュレーションで開催されているレース”をまとめた記事も参考にしてもらいたい。
他のサーキットのローカルレース紹介記事リンク
- “十勝スピードウェイ”編
- “スポーツランドSUGO”編
- “モビリティリゾートもてぎ”編
- “筑波サーキット”編
- “富士スピードウェイ”編
- “鈴鹿サーキット”編
- “岡山国際サーキット”編
- “オートポリス”編
全国共通レギュレーションのローカルレース紹介記事リンク
それでも“出場したいレースが無い” 場合は、調べる範囲を広げて、耐久レースやスピード競技、JAF非公認のレースを探してみて欲しい。日本の参加型モータースポーツの裾野は広い!出場したいレースはきっと見つかるはずだ。