日本では数多くの参加型モータースポーツが開催されている。JAF公認の参加型レースに的を絞っても凄まじい数がある。その中にはレースに詳しい人にも知られていないローカルカテゴリーもあることだろう。
この記事では「JAF及びFIA選手権」として開催されるレースをご紹介する。JAFやFIAの選手権がローカルレースなのかは意見が分かれるところかもしれない。参加型レースの中ではトップカテゴリーに位置するからだ。これから出場カテゴリーを変更しようと考えている人や、上位カテゴリーへのステップアップを考えている人は参考にしてもらいたい。
JAF選手権とは?
JAF公認のレースの中でJAF〇〇選手権の冠が付くレースのこと。JAF公認レースの中でも格式がひとつ上がりシーズンの終わりにはJAFによる表彰式が行われる。いずれのカテゴリーもプロドライバーへの登竜門と言っても過言ではないレースとなっている。
JAF選手権のレースを紹介
JAFツーリングカー選手権 ロードスター・パーティレースⅢ ジャパンツアーシリーズ

マツダ製ロードスター(NR-Aグレード)のナンバー付き車両を用いたワンメイクレース。ジャパンツアーシリーズのみがJAFツーリングカー選手権となっている。同じ車両で開催されている北日本シリーズ、東日本シリーズ、西日本シリーズについては「自動車メーカー系ワンメイクレース」をご覧頂きたい。
開催サーキット | 開催数 | 出場台数 |
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十勝スピードウェイ スポーツランドSUGO モビリティリゾートもてぎ 筑波サーキット 富士スピードウェイ (鈴鹿サーキット)2024年から開催 岡山国際サーキット オートポリス | 7回/年 | 10~34台 |
JAFスーパーFJ選手権

JAF国内競技車両規則第8章スーパー FJ規定に合致したフォーミュラカーを用いたレース。1,500ccエンジンを搭載し、出力は約120PS。Hパターン5速ドグミッション、鋼管スペースフレーム採用したフォーミュラカー。タイヤはワンメイクのスリックタイヤとなっている。全国で4つのシリーズ戦が行われていて、年末に日本一決定戦が行われる。
シリーズ | 開催サーキット | 開催数 | 出場台数 |
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JAFもてぎ・菅生 スーパーFJ選手権 | スポーツランドSUGO モビリティリゾートもてぎ | 5回/年 | 13~26台 |
JAF筑波・富士 スーパーFJ選手権 | 筑波サーキット 富士スピードウェイ | 8回/年 | 9~20台 |
JAF鈴鹿・岡山 スーパーFJ選手権 | 鈴鹿サーキット 岡山国際サーキット | 6回/年 | 10~23台 |
JAFオートポリス スーパーFJ選手権 | オートポリス | 5回/年 | 14~20台 |
日本一決定戦 | モビリティリゾートもてぎ | 1回/年 | 31台 |
Fomula Beat地方選手権

JAF国内競技車両規則第9章Fomula Beat規定に合致したフォーミュラカーを用いたレース。2022年まではJAF F4と呼ばれていたカテゴリー。エンジン、シャシー共にマルチメイクとなっており、多種多様なフォーミュラカーがエントリーしている。
開催サーキット | 開催数 | 出場台数 |
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十勝スピードウェイ スポーツランドSUGO モビリティリゾートもてぎ 富士スピードウェイ 鈴鹿サーキット 岡山国際サーキット オートポリス | 12回/年 | 6~20台 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権
JAF国内競技車両規則第10章スーパーフォーミュラ・ライツ規定に合致したフォーミュラカーを用いたレース。シャシーはイタリアのダラーラ社が供給する「ダラーラ・320」のワンメイク。エンジンはトヨタ・GRヤリス用のG16E-GTSをベースとした、トムス製「TGE33」のワンメイクとなっている。
開催サーキット | 開催数 | 出場台数 |
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スポーツランドSUGO モビリティリゾートもてぎ 富士スピードウェイ 鈴鹿サーキット 岡山国際サーキット オートポリス | 18回/年 | 11~12台 |
FIA規定のレースとは?
FIA規定のレーシングカーを用いたワンメイクレース。F1に乗るためのスーパーライセンスポイントを獲得できるためF1を目指す若きレーシングドライバーと、完全なワンメイクレースによる腕の競い合いを目的としたジェントルマンドライバーに、参加者は二分される。
FIA規定のレースを紹介
FIA-F4
国際自動車連盟 (FIA) が公認するフォーミュラ4 (F4)車両を用いたワンメイクレース。シャシーは東レ・カーボンマジック製の「MCS4-24」、エンジンはトヨタ・ZRエンジンをベースにしたトムス製の2リッターNA直列4気筒「TZR42」、ギアボックスは戸田レーシング製6速シーケンシャルミッション(パドルシフト)となっている。
開催サーキット | 開催数 | 出場台数 |
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スポーツランドSUGO モビリティリゾートもてぎ 富士スピードウェイ 鈴鹿サーキット オートポリス | 14回/年 | 21~40台 |
FORMULA REGIONAL
国際自動車連盟 (FIA) が公認するフォーミュラリージョナル車両を用いたワンメイクレース。シャーシは童夢・F111/3、エンジンはアウトテクニカ・モトーリがチューニングしたアルファロメオ製 1,750cc 直列4気筒 ターボエンジンとなっている。
開催サーキット | 開催数 | 出場台数 |
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スポーツランドSUGO モビリティリゾートもてぎ 富士スピードウェイ 鈴鹿サーキット オートポリス | 16回/年 | 24台 |
よくある疑問点を解説
似たようなレースがJAFとFIAで分かれているのはなぜか?
レースカテゴリーを横並びに見ていくと似たようなレギュレーションのフォーミュラレースが開催されていることに違和感を感じるかもしれないが、JAF規定とFIA規定のフォーミュラレースには大きな違いがある。
ワンメイクのFIAとマルチメイクのJAF
それは完全なワンメイクレースかマルチメイクレースかの違いである。FIA既定のフォーミュラレースが完全ワンメイクレースとなっている一方で、JAFのフォーミュラレースはスーパーフォーミュラ・ライツ以外はマルチメイクレースとなっている。スーパーフォーミュラ・ライツも発足当時はエンジンマルチメイクとしていたため、JAFのレースはマルチメイクであることに重点を置いているといえる。
ワンメイクレースとマルチメイクレースはどっちが良いのか?
ドライビング技術を磨くためのワンメイク
ワンメイクレースとは全車種同じ車両を用いたレースのことで、マシンによる性能差を限りなくゼロに近づけたレースだ。ドライバーのスキルで勝負が決まるため、これからモータースポーツライセンスを取得してドライビングスキルを磨いていくならばワンメイクレースがオススメといえる。
チーム力が重要となるマルチメイク
対してマルチメイクレースとは、レギュレーションの範囲内であればシャシやエンジンを自由に選択が可能なレース。同時に開発行為(レギュレーション範囲内での改造)が可能なため、チームとしての開発力(技術力)が重要となってくる。
この記事の中に出場したいレースが無い場合は・・・
この記事では「JAF及びFIA選手権」として開催されるレースをご紹介したのだが、残念ながら“この中には出場したいレースが無い” そんな人もいることだろう。その場合は他で公開している”各サーキットごとのローカルレース”と”全国的に共通レギュレーションで開催されているレース”をまとめた記事も参考にしてもらいたい。
他のサーキットのローカルレース紹介記事リンク
- “十勝スピードウェイ”編
- “スポーツランドSUGO”編
- “モビリティリゾートもてぎ”編
- “筑波サーキット”編
- “富士スピードウェイ”編
- “鈴鹿サーキット”編
- “岡山国際サーキット”編
- “オートポリス”編
全国共通レギュレーションのローカルレース紹介記事リンク
それでもやっぱり“出場したいレースが無い” 場合は、調べる範囲を広げて、耐久レースやスピード競技、JAF非公認のレースを探してみて欲しい。日本の参加型モータースポーツの裾野は広い!出場したいレースはきっと見つかるはずだ。