東京都心から車で90分にある埼玉県羽生市のカートコース「クイック羽生」。全長720m、11個のコーナーをレイアウトしたテクニカルサーキットでは、全国どこのカート場でも応用の効く技術が身につけられる。今回はクイック羽生を運営する有限会社スタジオビーの代表取締役社長、下山和人氏にクイック羽生のこだわりや楽しみ方を伺った。
クイック羽生の概要
全長720mのコースにある11個のコーナーにはブレーキングしながら飛び込む1コーナーから、全開で駆け抜ける最終セクションまで彩り豊かだ。営業は主にレンタルカートを主体としているが、ミニバイクやレーシングカートを持っていれば、持ち込んで練習走行することもできる。
クイック羽生は充実した設備と親切な接客で、老若男女問わず根強いリピーターを抱える。カジュアルでアットホームな雰囲気だが、坪井翔選手など、クイック羽生からSUPER GTなどへ飛び立ったドライバーも多い。
料金プラン
ジャンル | プラン | 料金(税込) | 詳細 |
---|---|---|---|
単発レンタル | レンタルゴーカート | 2,200円(土日祝:2,500円) | 7分/回 |
ジュニアゴーカート | 2,200円(土日祝:2,500円) | 7分/回 | |
2人乗りゴーカート | 3,300円 | 7分/回 | |
ファンカートキッズEV | 500円 | 3分/回 | |
まとめ買い | 1日フリーパス | 男性:13,000円 女性:10,000円 | 7分/回 |
回数券 | 3回券:6,500円 6回券:12,000円 12回券:24,000円 | 7分/回 | |
持ち込み走行 | 持ち込みレーシングカート | 500円 | 7分/回 |
バイク体験走行 | 500円 | 7分/回 | |
レース | レースプラン | 7,500円 | 練習(10分) 予選(8分) 決勝(12周) 表彰式 |
エンジョイプラン | 6,000円 | 予選(10分) 決勝(10周) 表彰式 | |
購入 | 傷害保険 | 500円 | 必須・掛け捨て |
フェイスマスク | 400円 | ヘルメットレンタルの場合 |
1走行2,200円の価格設定はレンタルカートの相場通りといったところ。9の付く日は「クイックの日」と呼ばれ、回数券を半額で購入できる。1走行1,200円と超破格になるため、 筆者もクイックの日に通っては、回数券をまとめ買いしていたことがある。
レンタルカート
レンタルの主力である、一人乗りの大人用車両はSodiのSR5。Sodiのラインナップの中ではミドルレンジにあたる。レーシングカートのように爆発的なスピードはないが、1コーナーの突っ込みなどでは十分にスリルを感じるスピードが出る。270ccの4サイクルエンジンは、最高速約60km/hを発揮する。


「2018年以前に使用していたカートより、初心者の方にとっても扱いやすい乗り味になりました。コントロールラインの上にある本部からリミッター制御などの遠隔操作ができるのも特徴です」。
マシンは多少ブレーキとハンドルを同時に操作しても簡単にスピンしない安定性がある。かといって強引に振り回すとスピンモーションに入ってしまうという点はカートらしさのある一台だ。車体重量があるため接地感が高く、タイヤのグリップ状態がわかりやすいことも特徴。「今のコーナーはミスった!」がわかりやすいため、スキルアップしやすい。
クイック羽生の特徴
コースレイアウト
大小11のコーナーをレイアウトしたサーキットはバラエティ豊かな顔色をもつ。ストレートからのブレーキングや、アクセルを一瞬だけ抜いて最適なルートを通るべきコーナーなど、攻略すべきポイントが多い。


「クイック羽生は日本一コーナー数が多いレンタルカート場だと思います。さまざまな角度のコーナーがあるので、クイック羽生を攻略できれば、全国どこに行っても応用が効きます」。
実際、N-one Challenge Cupなどでシリーズチャンピオンを獲得し、今年スーパー耐久にデビューした川福健太氏も「クイック羽生には鬼のように通いました。低速から高速、複合まであらゆるコーナーがあるので大変練習になりました」と語る。
タイムの目安
初めての晴天走行であれば、52秒台に入れば上出来だ。コースの概要を理解し、全開で走れるようになると52秒台で走ることができる。少し慣れてくるとタイムは51秒台に入ってくる。ここからはあらゆるコーナーで0.1秒ずつタイムを削り取るフェーズに入る。
「51秒台前半はひとつの壁です。ブレーキングでしっかり止め、狙い通りのアウト・イン・アウトができるようになると50秒台を狙えるようになりますよ」。
走行会の経験者などがクイック羽生に来ると、すぐに51秒台に乗るが、ここでつまずくことが多い。アマチュアでも50秒台で走る人はいるが、一握りだ。ちなみにレコードタイムは49秒台。一度走れば「ここからどうやって2秒も削ればいいんだ…」とプロの実力の片鱗を感じられる。
