トヨタ・GR86とスバル・BRZは、プロレースからタイムアタックまで多くのカテゴリーで「操るクルマ」としてファンに愛されている。FCR 86/BRZと86/BRZ CHALLENGE CUPは、富士スピードウェイで開催されている86/BRZワンメイクのシリーズ戦。改造範囲や参戦可能車種がトヨタ主催の86/BRZ Cupより広いため、チューニングカーレースとして「自分が作ったハチロクで戦いたい」という願いを叶えることができる。
FCR 86/BRZと86/BRZ CHALLENGE CUPとは
86/BRZ CHALLENGE CUPはFT86発売から間もない2013年にスタート。2024年で12年目を迎えた。レースには旧型のZN6/ZC6型も参戦可能。改造範囲により、JP-1からJP-4の4クラスに分類される。
富士スピードウェイ主催のFCR-86BRZ Ⅰ/Ⅱ/Ⅲと併催され、グリッドには30台近い86/BRZが立ち並ぶ。富士スピードウェイで年間4戦が開催される。
2024年 年間スケジュール
Round | 日程 |
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Round 1 | 4/13 |
Round 2 | 7/13 |
Round 3 | 11/3 |
Round 4 | 12/7 |
開催クラス
クラス | 概要 |
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FCR-86BRZ Ⅰ | N1規定新型86/BRZ |
FCR-86BRZ Ⅱ | N1規定旧型86/BRZ |
FCR-86BRZ Ⅲ | 旧86/BRZ Race車両 |
JP-1 | NAオープンクラス |
JP-2 | セミチューニングクラス |
JP-3 | ライトチューニングクラス |
JP-4 | 旧86/BRZ Cupクラブマンシリーズ車両 |
車両は改造範囲で上記のように分けられ、JP-2とJP-3にはプロクラスとアマチュアクラスが存在する。86/BRZの全グレードが参戦できる間口の広さと、自分の改造に応じてライバルを選べる柔軟性が特徴だ。
レースには元GT500チャンピオンの竹内浩典選手も参戦しており、打倒プロを目指すことも可能だ。ちなみに取材日のレースでは竹内選手がポールトゥウィンで総合優勝した。
FCR 86/BRZと86/BRZ CHALLENGE CUPの魅力
取材日のレースで、JP-2Sクラスで優勝した「ミヤニキ」こと宮崎選手と、FCR-86BRZ Ⅰクラスで2位を獲得した松下浩平選手に話を聞いた。
宮崎選手は自身のGR86をチューニングして草レースに出場していたがステップアップを目指し、愛車で出場できる86/BRZ CHALLENGE CUPにたどり着いた。
「今回のレースでは4輪脱輪とピットレーン速度違反で7グリッド降格しましたが、全員抜いて優勝できました(笑)。同じ86達と同じレギュレーションでバトルできるのが楽しいですね!2024年はシリーズチャンピオンを狙いに行きます!」
松下選手はサーキット走行歴30年、レース歴10年のジェントルマンドライバーだ。
「FCR 86/BRZには、車両が新型になる前から7年間出場しています。レギュレーションがしっかり定まっており、技術が結果に表れるレースを求めて参戦しました。
N1規定でも2.4Lでパワーがあり、コントロールしやすさを両立している新型86はいいクルマです。運転していてとても楽しい、これに尽きますね。リミッターを切ったばかりなので、慣れが必要な段階です。大好きな言葉である『一番』を目指し、表彰台を狙います」。
ユニークさの光るワンメイクレース
FCR 86/BRZと86/BRZ CHALLENGE CUPは、86/BRZであれば過去に販売されたどのグレードでも参戦できるため、カップカーの購入が難しい人には嬉しいカテゴリーだ。レースはガチンコで、純粋にFR車でのレースを楽しみたい人から、ステップアップの足がかりにしたい人まで、幅広いドライバーに門戸を開いている。
スポーツカー、特に愛車でモータースポーツを楽しみたい人にはぜひとも飛び込んでほしいレースだ。
FCR 86/BRZ 86/BRZ CHALLENGE CUP ギャラリー
写真:松下典宏 &Race編集部