最高速125km/h、強烈なグリップのタイヤと爆発的な加速力のエンジンを擁するOKクラス。長年全日本選手権や、世界カート選手権のトップカテゴリーを彩ってきた同カテゴリーは「カートのF1」と呼ばれ、多くのトッププロを輩出してきた。最速のカートを操るには最高の技術と体力が求められる。
今回は全日本カート選手権などで活躍中の若手選手に話を伺った。
OKクラスの概要
「カートのF1」と呼ばれるだけあってOKクラスのマシンは速く、ピーキー。16,000rpmという回転数はどのカートカテゴリーよりも高く、そのエンジンは歴戦の現役ドライバーでもワンミスで故障させてしまうほどに繊細だ。
エンジン性能緒元
正式名称 | OK(IAME・TM・VOLTEX ) |
排気量 | 125cc(単気筒) |
冷却方式 | 水冷 |
最高速 | 約125km/h |
回転数 | 16,000rpm |
税込価格 | オープン価格 |
国内で開催しているOKクラスのチャンピオンシップ
国内では3つのチャンピオンシップが日本一を掲げて開催されている。いずれもスカラシップなどを賞典に掲げ、世界選手権やフォーミュラへのステップアップをサポートしている。
タイトル | 母体 | タイヤ |
---|---|---|
全日本カート選手権 | JAF | DUNLOPワンメイク |
GPR KARTING SERIES | GPR | DUNLOPワンメイク |
OK CHAMP SERIES | KRP | 3メーカー輪番制ワンメイク |
全日本カート選手権
全日本カート選手権はJAFが統括する全日本カート選手権のトップカテゴリー。国内で最も伝統あるOKの選手権で、かつてはエンジン、タイヤがマルチメイクとなっており、熾烈な開発競争が行われていた。2023年現在は、3種類のエンジンはそのまま、タイヤのみDUNLOPのワンメイクになっている。
タイヤがマルチメイクのレースに出場するためには、4輪競技ではSUPER GTまでステップアップする必要がある。マルチメイク時代は若手が開発ドライバーとしての経験を積むためにOKクラスで激しいシート争いが展開されていた。現在はワークスの育成ドライバーなどが参戦者の大半を占める。
GPR KARTING SERIES
GPR KARTING SERIESは国内4輪競技のトップカテゴリーであるSUPER GTやSUPER FORMULAとのコラボレーションが特色。SUPER GTで活躍する松浦孝亮選手の兄、佑亮氏が発起人となり、2023年に始動した。全国を転戦し、各クラスのシリーズチャンピオンにはステップアップに向けて100~300万円の賞金が与えられる。2023年現在、初年度から最も多くのエントラントを集めるOKのシリーズで、さらなる盛り上がりが期待されている。
OK CHAMP SERIES
2021年に立ち上がったOK CHAMP SERIESは、鈴鹿サーキットで全6ラウンドが開催されている。シリーズの特色は、毎回異なるタイヤでのワンメイクが行われる点と、プロのGTドライバーも参戦する華やかさだ。2022年にはロニー・クインタレッリ選手らが参戦し、2023年は安田裕信選手が参戦している。シリーズチャンピオンには世界選手権へのスカラシップが用意されており、鈴鹿サーキットの局地レースでありながら18名のシリーズエントラントを集めている。