2018年に登場したエントリー向けのピュアレーシングカー、v.Granz。アルミモノコック、ドグミッション、スリックタイヤで武装する590kgの超本格派だ。排気量1986ccのこのマシンがどんなポテンシャルを持っているか、甲野将哉氏に聞いた。
v.Granzとは
v.Granzは、エントリー向けのマシンとして人気が高まっているVITAの上位グレードに位置する、ミッドシップレーシングカー。VITAを製造するVITA CLUB 株式会社が手掛ける。VITAより戦闘的なスタイリングをはじめ、レースファンが思わず「おっ」と言いたくなるコンポーネントが搭載された新鋭のマシンだ。
主なスペック
主なパーツ | 緒元 |
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エンジン | M20-FKS(直列四気筒・1986cc) |
タイヤ | ADVAN A005(晴) ADVAN A006(雨) |
フレーム | セミモノコックフレーム+スペースフレーム |
ボディ | アルミモノコック |
ミッション | 5速ドグミッション(パドルシフト) |
車体重量 | 約590kg |
価格(税込み) | 858万円(タイヤ・ホイール別) |
搭載されているM20-FKSはトヨタの2リッター直四エンジン。最高出力は171馬力で、VITAの1500cc/109馬力から大幅に引き上げられている。車重はVITAと比べて約100kgしか重くなっておらず、戦闘力の向上がうかがえる。
市販車同様のシンクロミッションを搭載するVITAと異なり、スリックタイヤとドグミッションを装備。より高いグリップやレスポンスを味わえる一台になっている。その分価格も上がっているが、ウェストレーシングカーズは「世界一メンテナンスフリーなミッドシップ単座式レーシングカー」とうたっている。
v.Granzのレースは、鈴鹿サーキットの鈴鹿クラブマンレースに組み込まれている。2時間耐久レースでもあるMEC120は第3戦で行われ、VITAとの混走で開催された。
v.Granzの魅力
v.Granzは車体価格が800万円を超えるラグジュアリーなマシンだ。何度か引き合いに出しているVITAと比べると価格は2倍近くになるが、その差を補って余りある贅沢仕様になっている。
構成部品
最初にレースファンの目を引くのは、そのスタイリングと、足元のタイヤだ。フロントへ突き出したノーズと大きなフロントウィングをまとったボディは、さながらフェンダーのついたフォーミュラカーだ。スリックタイヤはヨコハマのADVAN A005。ドライ用には2種類のコンパウンドが用意されている。
「コックピット内に入ると、デジタルメーターの手前にスパルタンなレーシングハンドルが据えられている。ミッションはハンドルに搭載されたパドルで操作するため、左足ブレーキが可能だ。「パドルシフトにスリックタイヤ、ピットレーンスピードリミッターのスイッチや、パッシング用のライトも搭載。わかりやすくレースファンが憧れるものを詰め込んであります」。
一般人が普通にMT車を購入すれば、ギアはシンクロミッション車両になる。しかし、GT車両などのレーシングカーはドグミッションが主流。憧れても自家用車に組み込むハードルはかなり高い…という方も多いだろう。v.Granzはそんなオーナーのかゆい所に手が届く構成を提案してきた。