2本目のスティント 22:10〜
いよいよ私のナイトセッションの番がやってきました。チームは「次戦以降のためにも経験を積んでこい」と、温かく送り出してくれました。
落ち着いて、冷静に。引くところはしっかり引き、ベストラップよりもアベレージラップの安定を目標として走ります。コースへ出てみると、暗いながらも驚くほどよく見えました。ただ事故を避けようとするあまり守りに入り過ぎてしまい、ブレーキングポイントがいつもよりかなり手前になってしまいます。
そんな中、10周を過ぎた頃。2回目となるアクシデントが発生しました。

300RでST-5クラスの車両がイン側となる右側を4台縦に並ぶような形で走行しており、私はST-Zクラスの後ろにつきながら、コース左側を走行していました。そしてダンロップコーナー進入時に通常ラインでブレーキを開始したところ、右側を走行していたST-5クラスの車両が、突然私のいるアウト側へと進路変更をし、こちらへ寄って来ました。
”マズイ、このままでは接触する!”私は最悪の事態を避けるためブレーキを更に強く踏み、左側のグリーンゾーンへ回避を試みますが、ガードレールとの距離を考えると……さらにハンドルを左へ切り込んでしまうと、大きなクラッシュや二次被害につながる可能性が予測される状況。つまり逃げ場はなくなっており、これ以上は切れません。

”できることといえば可能な限り速度を落とし、接触の衝撃を最小限に抑えることだけ”そう考えて、現状で可能な限りのハードなブレーキングを行いましたが、18号車の右サイドと相手車両の左サイド部分が接触。残念ながら、回避することはできませんでした。
その後FCYが導入され、この接触に対するペナルティストップを消化しました。スティント終了後には相手チームの代表者様より、接触に至る経緯について丁寧なご説明と謝罪をいただきました。その際には後方確認ができていなかったとのお話があり、その後改めてチーム内で映像を確認されたうえで、再度ご連絡と謝罪をいただいております。誠実でプロフェッショナルな対応に、心から感謝しております。
その後も続くアクシデント
念のためピットでマシンを確認してもらいましたが、損傷は最小限で、応急処置の後に再びコースへ復帰。その際に燃料も満タンにしました。
しかし今度はゼッケンライトの接触不良の問題が発生し、その修復作業にも時間を要することになります。チームにも疲労の色が見え始めますが、それでも完走を目指し、一つひとつのトラブルに全力で対応してくださいました。

私自身も、次戦以降のレースに向けて少しでも経験を積みたいという思いで走りました。しかしどうしても守りに入り過ぎてしまい、納得のいく走りができません。悔しくて自分に腹が立ちます。
それでも燃料がほぼ無くなるまで走行。22時10分頃にコースインし、日の変わった午前1時06分まで走り続けることができたことで、自分の体力と集中力が確実に成長していることを実感できました。
走行終了後、「明け方ももう一度走る?」と監督に聞かれましたが、さすがにすでに5時間近くマシンに座り続けていたこと、そしてAドライバーの規定時間をクリアしたこともあり、続きは来年の富士24時間に取っておくことにしました。
その後もドライバー全員で襷を繋ぎながら戦い続けましたが、残り2時間20分というところでマシントラブルによる小規模な火災が発生。18号車はAコーナー手前で停止することになりました。

チームは何とか復旧させようとマシンの確認を行ったのですが……残された時間で修復することは難しいと判断され、18号車の2026年の富士24時間レースは、無念のリタイアという形で幕を閉じることになりました。

