日本では数多くの参加型モータースポーツが開催されている。JAF公認の参加型レースに的を絞っても凄まじい数がある。その中にはレースに詳しい人にも知られていないローカルカテゴリーもあることだろう。
この記事では「日本独自のレーシングカー」を用いて開催されるレースをご紹介する。これからレースデビューを考えている人や、出場カテゴリーを変更しようと考えている人は参考にしてもらいたい。
日本独自のレーシングカーレースとは?
日本のレーシングコンストラクターが製造したレーシングカーを用いたレースの中でJAFの公認を受けているもの。ピュアレーシングカーのワンメイクレースが主流なためドライバー同士の腕の競い合いが魅力となっている。純粋にドライビングテクニックを磨きたい人にオススメのカテゴリーとなっている。
日本独自のレーシングカーレースを紹介
フォーミュラEnjoy
FE2(NF-02型)のフォーミュラーカーを用いたワンメイクレース。鈴鹿サーキットでの開催が基本となっているが、最近は岡山国際サーキットやモビリティリゾートもてぎでで開催するレースも組み込まれはじめている。主催者が準備するレンタルパッケージあり。
開催サーキット | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|
鈴鹿サーキット | 4回/年 | 16~23台 |
岡山国際サーキット | 1回/年 | 10台 |
モビリティリゾートもてぎ | 2024年から開催 | – |
VITA

ウエストレーシングカーズ製のレーシングカーVITA(VITA01型)を用いたワンメイクレース。鈴鹿サーキット発祥のレースだが、2024年現在は日本国内の主要8サーキットで開催されている。主催者が準備するレンタルパッケージあり。
開催サーキット | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|
十勝スピードウェイ | 4回/年 | 13~20台 |
スポーツランドSUGO | 2024年から開催 | – |
モビリティリゾートもてぎ | 3回/年 | 11~20台 |
筑波サーキット | 2回/年 | 10~14台 |
富士スピードウェイ | 3回/年 | 33~41台 |
鈴鹿サーキット | 4回/年 | 21~31台 |
岡山国際サーキット | 4回/年 | 21~37台 |
オートポリス | 4回/年 | 17~23台 |
v.Granz

ウエストレーシングカーズ製のレーシングカーv.Granzを用いたワンメイクレース。2023年までは同社製のWEST16Cなどの車両なども出場しCS2クラスと呼ばれていた。鈴鹿サーキットでの開催が基本となっているが、最近は岡山国際サーキットやモビリティリゾートもてぎでで開催するレースも組み込まれはじめている。主催者が準備するレンタルパッケージあり。
出場車種 | 自動車登録番号標 | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|---|
v.Granz | ナンバー無し (特殊レーシングカー) | 4回/年 | 11~15台 |
KYOJO CUP
ウエストレーシングカーズ製のレーシングカーVITA(VITA01型)を用いたワンメイクレース。女性のみがエントリー可能。
開催サーキット | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|
富士スピードウェイ | 4回/年 | 21~23台 |
Inter Proto Series Gentleman Class
インタープロトシリーズ用に専用で設計されたレーシングカー”kuruma”を用いたワンメイクレース。

開催サーキット | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|
富士スピードウェイ | 4回/年 | 17~18台 |
出場レースを決める時のポイント
日本独自のレーシングカーの魅力
近年は日本独自のレーシングカーを用いたレースが人気を集めている。VITAがその筆頭なのだが、それに続くようにフォーミュラEnjoyやv.Granzが鈴鹿サーキットから他のサーキットへ広まり始めている。
操作が容易なピュアレーシングカー
人気となる一番の理由は、誰でも簡単に運転ができるピュアレーシングカーだからだろう。インタープロトの”kuruma”は例外として、他の車両はマニュアルトランスミッションのクルマの運転ができれば、操作感は普通乗用車や軽自動車と大差はない。ただし、”速く”走ろうとすると話は別である。ABSはもちろんのこと、パワーステアリングやブレーキの倍力装置すらついていないため、速さを求めれば求めるほど運転の難易度は上がる。この始めるときの入口の広さと突き詰めようとした時の奥の深さが最大の魅力なのだろう。
純国産レーシングカーのメリット
日本独自のレーシングカーの製造はもちろん日本国内で行われている。海外製(主にヨーロッパ)のレーシングカーと比べると、為替の影響や輸入コストがかからないため安価なのは間違いないが、一番のメリットは修理部品の調達のし易さだろう。レースはレギュレーション上で指定された部品の使用が義務となっている場合が多い。その指定部品が海外生産の場合、輸入にかかるリードタイムが予想しづらく、部品を調達し難いのが難点なのだ。それに対し国内製造のレーシングカーの部品は調達はし易いといって間違いない。これが出場台数を下支えしている大きな理由でありメリットだろう。
鈴鹿サーキットで誕生するレースに注目!
日本独自のレーシングカーレースのほとんどは鈴鹿サーキットで誕生している。日本のレーシングカーコンストラクターが鈴鹿サーキット近隣に多いことも要因だろうが、鈴鹿サーキットがF1を開催し続けている国際的なサーキットだからという点も大きいだろう。これからも鈴鹿サーキットで日本独自のレーシングカーレースが誕生したときは要注目である。鈴鹿サーキットで開催されているレースに関しては「鈴鹿サーキット」編を参考にしてもらいたい。
この記事の中に出場したいレースが無い場合は・・・
この記事では「日本独自のレーシングカー」を用いて開催されるレースをご紹介したのだが、残念ながら“この中には出場したいレースが無い” そんな人もいることだろう。その場合は他で公開している”各サーキットごとのローカルレース”と”全国的に共通レギュレーションで開催されているレース”をまとめた記事も参考にしてもらいたい。
他のサーキットのローカルレース紹介記事リンク
- “十勝スピードウェイ”編
- “スポーツランドSUGO”編
- “モビリティリゾートもてぎ”編
- “筑波サーキット”編
- “富士スピードウェイ”編
- “鈴鹿サーキット”編
- “岡山国際サーキット”編
- “オートポリス”編
全国共通レギュレーションのローカルレース紹介記事リンク
- “自動車メーカー系ワンメイクレース”編
- “海外製レーシングカー”編
- “日本独自のレーシングカー”編
- “JAF/FIA選手権”編
それでもやっぱり“出場したいレースが無い” 場合は、調べる範囲を広げて、耐久レースやスピード競技、JAF非公認のレースを探してみて欲しい。日本の参加型モータースポーツの裾野は広い!出場したいレースはきっと見つかるはずだ。