日本では数多くの参加型モータースポーツが開催されている。JAF公認の参加型レースに的を絞っても凄まじい数がある。その中にはレースに詳しい人にも知られていないローカルカテゴリーもあることだろう。
この記事では「オートポリス」で独自に開催されているローカルカテゴリーの参加型レースをご紹介する。これからレースデビューを考えている人や、出場カテゴリーを変更しようと考えている人、遠征できるレースを探している人は参考にしてもらいたい。
オートポリスのローカルレース紹介
大分県日田市にある四輪サーキット。トヨタ系メーカーワンメイクレースのレギュレーションを流用したレースの他に、改造範囲の広いロードスター、スイフト、86/BRZのレースが開催されている。

Boon!×2 street 1500
ロードスター、スイフトスポーツ、ヴィッツ、ヤリスのナンバー有り車両を用いたレース。ロードスター、スイフトスポーツはJAF国内競技車両規則 第3編 第7章スピードB車両規定、ヴィッツは旧Netz Cup Vitz Raceの車両規定、ヤリスは現TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cupの車両規定に合致した車両を用いる。
主な出場車種 | 自動車登録番号標 | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|---|
ロードスター (ND5RC型) スイフトスポーツ (ZC31S, ZC32S型) トヨタヴィッツ (NCP131型) トヨタヤリス (MXPA10型) | ナンバー有り | 3回/年 | 7~15台 |
AP86/BRZ
トヨタ86, トヨタGR86, スバルBRZのナンバー有り車両を用いたレース。クラス3は十勝スピードウェイのTS-86/BRZ、富士スピードウェイのFCR-86BRZ(Ⅲ)、岡山国際サーキットのNゼロ-86(クラス1)が類似レギュレーションとなっている。
- クラス1:TGR GR86/BRZ Race規定に合致したトヨタGR86(ZN8), スバルBRZ(ZD8)
- クラス2:JAF国内競技車両規則第3編第7章スピードB車両規定に合致したトヨタGR86(ZN8), スバルBRZ(ZD8)
- クラス3:TGR 86/BRZ Race規定に合致したトヨタ86(ZN6), スバルBRZ(ZC6)
- クラス4:JAF国内競技車両規則第3編第7章スピードB車両規定に合致したトヨタ86(ZN6), スバルBRZ(ZC6)
出場車種 | 自動車登録番号標 | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|---|
トヨタGR86(ZN8型) トヨタ86(ZN6型) スバルBRZ(ZC6, ZD8型) | ナンバー有り | 4回/年 | 19~23台 |

PCJ-CUP
PORSCHE CLUB of JAPAN(略PCJ)が主催するポルシェ製の車両を用いたレース。ナンバー無しのSクラスと、ナンバー有りのNクラスがある。岡山国際サーキットとオートポリスで開催されている。
主な出場車種 | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|
911 GT3 Cup(991,997型) | 2023年は中止 | – |
その他の開催カテゴリー
全国的に共通レギュレーションで開催されているレースとしては、VITAが年間4戦のシリーズ戦が組まれているほか、自動車メーカー系ワンメイクレースが年に1~2回開催されている。
カテゴリー名 | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|
VITA | 4回/年 | 17~23台 |
N-ONE QWNER’S CUP | 1回/年 | 46台 |
TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cup | 2回/年 | 28~31台 |
TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup クラブマンシリーズ | 1回/年 | 24台 |
Ferrari Challenge Trofeo Pirelli Japan | 1回/年 | 18台 |
JAFツーリングカー選手権 ロードスター・パーティレースⅢ ジャパンツアーシリーズ | 1回/年 | 15台 |
JAFオートポリス スーパーFJ選手権 | 5回/年 | 14~20台 |
Fomula Beat地方選手権 | 1回(2レース)/年 | 6台 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 | 1回(3レース)/年 | 12台 |
よくある疑問点を解説
ロードスターやヴィッツ、86/BRZのレースが何種類もあるのはなぜか?
カテゴリー毎に出場できる「モデルやグレード」、「ナンバーの有無」、「改造できる範囲」が異なっているため、何種類ものカテゴリーに分かれている。特にロードスター、ヴィッツ、86/BRZは新旧のモデルやグレードが多いためカテゴリーが多く複雑になっている。
車両を購入する時はモデルやグレードに注意!
JAF公認レースはレギュレーションが厳格に定められているので少しでもレギュレーションから逸脱していると参加することはできない。出場レースを決める際はレギュレーションをよく読んでおくことと、車両購入の際は間違って出場できないモデルやグレードを買わないように注意してほしい。
改造可能な範囲が広いカテゴリーが狙い目!
この記事で紹介したオートポリスの「Boon!×2 street 1500のロードスター・スイフトクラス」、「AP86/BRZのクラス2、クラス4」や、「富士スピードウェイ」で開催されている「ROADSTER CUP」、「Fuji 86BRZ Challenge Cup」はJAF公認レースの中でも改造可能な範囲が広いカテゴリーだ。ロードスターやスイフト、86/BRZを既に所有しているけれども、自動車メーカー系ワンメイクレースに出場できない場合は、改造可能な範囲が広いカテゴリーを狙うのがレース出場へ向けた近道かもしれない。
オートポリス以外のサーキットでレースがしたい
オートポリスでレース出場を考えているということは、お住まいが九州であることがほとんどだろう。でも本当はオートポリス以外のサーキットでレースがしてみたいのだけど、移動時間を考えると非現実的。そんなふうに諦めてはいないだろうか?そんな場合はレンタルパッケージを利用して他のサーキットのレースに出場する手段もある。
レンタルパッケージとは?
レンタルパッケージというのは、レースに出場する車両のレンタル代、車両の運搬代、走行前後のメンテナンス工賃、メンテナンスにかかる消耗品、レース当日の出張メカニック費用などが全てセットになったサービス商品のことだ。レース車両はサーキット近隣のレーシングチームが準備するので、ドライバーはライセンスと装備品だけ持って飛行機とレンタカーでサーキットに行くだけでレースに出場できる。お住まいが九州でも鈴鹿サーキットや富士スピードウェイのレースに出場することができる。詳しくは”海外製レーシングカー編”で解説しているので参考にしてもらいたい。
この記事の中に出場したいレースが無い場合は・・・
この記事では「オートポリス」のローカルレースをご紹介したのだが、残念ながら“この中には出場したいレースが無い” そんな人もいることだろう。その場合は他で公開している”各サーキットごとのローカルレース”と”全国的に共通レギュレーションで開催されているレース”をまとめた記事も参考にしてもらいたい。
他のサーキットのローカルレース紹介記事リンク
- “十勝スピードウェイ”編
- “スポーツランドSUGO”編
- “モビリティリゾートもてぎ”編
- “筑波サーキット”編
- “富士スピードウェイ”編
- “鈴鹿サーキット”編
- “岡山国際サーキット”編
- “オートポリス”編
全国共通レギュレーションのローカルレース紹介記事リンク
- “自動車メーカー系ワンメイクレース”編
- “海外製レーシングカー”編
- “日本独自のレーシングカー”編
- “JAF/FIA選手権”編
それでもやっぱり“出場したいレースが無い” 場合は、調べる範囲を広げて、耐久レースやスピード競技、JAF非公認のレースを探してみて欲しい。日本の参加型モータースポーツの裾野は広い!出場したいレースはきっと見つかるはずだ。