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Home»独占インタビュー»GT500とスーパー耐久を制した竹内浩典の旅路
独占インタビュー

GT500とスーパー耐久を制した竹内浩典の旅路

2024.4.14大矢根 翼
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監督時代を経てプライベーターへ

2008年から2009年は自身がチャンピオンを獲得したCERUMOの監督を務めた。「僕は運転が好きなのであまり監督はやりたくなかったのですが…」根っからのドライバーである竹内氏は、エンジニアとドライバーが対立するたびにドライバーに肩入れしたくなるのをこらえたという。

  • 竹内浩典とは
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      • デビュー以前〜AE86クラスチャンピオン
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      • 監督時代を経てプライベーターへ
  • 強みは開発力
  • 略歴

しかし、ドライバーの言い分がおかしいと感じたときには「代打俺」でテスト走行を行い、そのタイムでチームを説き伏せる場面もあったという。「運転すればマシンとドライバーのどちらが悪いのかわかります」数値上の理論、現場の経験、ドライビングスキルを統合して速いチーム作りに励んだ。「監督の仕事はチームの和をとりもつことです。バランス感覚を持つのが結構大変でしたね」

次に心からレースを楽しむことができたのは、一度GT500、GT300を退き、CERUMOの監督も引退した後だったという。2012年、竹内氏は自チームのオーナー兼ドライバーとしてSLS AMGでSUPER GTに復帰した。「スポンサー集めなどは自分でやりましたが、プライベーターだったのでのびのびとドライブできました」

「のびのび」とは言いつつも2013年はポイントを重ね、最終戦までチャンピオン争いに絡みつつシーズンを4位で終えた。「勝って当たり前と思われずに走れるのは気持ちいいですよ。同時に速さが健在なことも示せたシーズンでした」

レースを楽しむ一方、「もう若くない」と感じることも多かったという。「夏場のレースは地獄ですよ。3回に1回くらいはクールスーツが壊れるので、湯たんぽを着て走っているようなものです。だから疲れたら最低周回数をこなして若手に交代。これもオーナードライバーの特権ですね」

強みは開発力

「脇坂寿一選手、本山哲選手、立川祐路選手。彼らは若いし、僕より速かった。僕より速いドライバーはゴロゴロいます」しかし、トップカテゴリーのシートを確保できたのは、チェッカーフラッグを前で受ける能力があったからだ。

「僕の強みはクルマからの情報を漏らさずに聞き取る力と、適切なパーツ・セッティングを選ぶ力です」そのセンスを竹内氏は「クルマとの一体化」と表現する。セッティング力の源泉になっていると語るのは「μ」の開発ドライバー経験。「ブレーキパッドの評価をするためには、インプレッション対象の違いを見つけないといけません。感覚を研ぎ澄まして個々のパーツを比べました」

開発を担当したパーツはブレーキパッドだけではない。SUPER GTでは関谷正徳氏とブリジストンのタイヤを、スーパー耐久ではファルケンのタイヤを開発した。マシンの熟成を進めれば次から次へと改善ポイントが上がってくる。無数にABテストを繰り返して、自分が速く走れるクルマを作り上げていった。

「開発の仕事をするとまず運転がうまくなります。そのフィードバックでクルマが速くなる。そうすると速くなるセッティングがわかる。だからどんどん勝てるようになっていきました」その集大成が2001年のSUPER GT500クラスシリーズチャンピオンだった。

「小さい頃からカートに乗っていた若手と才能や体力で渡り合うことはできません。でも僕は筋トレをする暇もないほどクルマに乗って、マシンを作る能力を培いました。3カテゴリー(JGTC・N1耐久・JTCC)に出ていた時代は毎週6日くらいレーシングカーを運転していましたね。勝手に体力がつきました」

F1はチームが最高のマシンを作り、ドライバーが最高のパフォーマンスをする仕事分担の一方、SUPER GTはドライバーに車両開発へ介入する余地が多く残されているという。竹内氏はSUPER GTが前身のJGTCと名乗る、さらにその前から開発ドライバーを続けている。イコールコンディションで圧倒的な速さを見せる相手には、パドックから始まる準備と経験で勝負する。仲間にはその術を叩き込んだ。

クルマの声を聞き分ける能力と、改善提案の解像度には強い自信を見せた。「目の前にクルマと予算を出されれば、予算内で最適なチューニングを施せます。だから僕は今もブレーキパッドの開発ドライバーを続けています」

「ここでもう一度青春をやりませんか」と語りかける59歳を迎えたベテランは、カー雑誌を見る少年のように純朴な目をしていた。

andrace_takeuchi_interview_2

略歴

年度レース戦績チーム・車種
1986富士フレッシュマンレースAE86
レースデビュー本牧タイヤ商会BP安藤レビン・AE86
1989富士フレッシュマンレースAE86フル参戦シリーズチャンピオン本牧タイヤ商会BP安藤レビン・AE86
1991全日本ツーリングカー選手権(JTC)デビューFMR Project μ・M3
1994N1耐久(現スーパー耐久)デビューProject μBP・スカイラインGT-R
1995全日本GT選手権(JGTC) GT2クラス(現GT300)デビューRE雨宮 SuperG・RX-7
1995ミラージュカップシリーズ2位プロジェクトμBPミラージュ
1996全日本GT選手権(JGTC) GT1クラス(現GT500)デビューカストロール・セルモ・スープラ
1997N1耐久クラス1シリーズチャンピオン日産プリンス千葉GT-R FALKEN
・スカイラインGT-R
1998N1耐久クラス1シリーズチャンピオン日産プリンス千葉GT-R FALKEN
・スカイラインGT-R
1999N1耐久クラス1シリーズチャンピオン日産プリンス千葉GT-R FALKEN
・スカイラインGT-R
1999ニュルブルクリンク24時間耐久レース総合6位FALKEN
・スカイラインGT-R
2000ニュルブルクリンク24時間耐久レース総合133位FALKEN・スープラ
2000N1耐久クラス1シリーズチャンピオン5ZIGEN☆ファルケンGT-R
・スカイラインGT-R
2001GT500シリーズ
N1耐久クラス1
シリーズチャンピオン
シリーズチャンピオン
auセルモスープラ・スープラ
5ZIGEN☆ファルケンGT-R
・スカイラインGT-R
2004N1耐久クラス1シリーズチャンピオンFALKEN☆PORCSHE・911GT3(911JGN)
2007株式会社シフト設立
2008SUPER GT監督就任
Formula Nippon監督就任
LEXUS TEAM ZENT CERUMO
CERUMO/INGING
201286RACER’S運営開始
2012SUPER GT GT300ドライバー復帰シリーズ12位GREEN TEC & LEON with SHIFT・SLS AMG GT3
2013SUPER GT GT300フル参戦シリーズ4位OKINAWA-IMP・SLS AMG GT3
2014ランボルギーニ スーパートロフェオ アジアシリーズ(富士、珠海、上海、セパン)参戦Emperor Racing
2016SUPER GT GT300シリーズ5位DIRECTION 108・HURACAN GT3
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