今回はモータースポーツの登竜門として最も気軽に楽しめるレンタルカートをご紹介。全国各地で1回2,500円程度から楽しむことができるが、本気で走ると全身が筋肉痛になるほど本格的だ。
この記事ではレンタルカートはどのような乗り物で、どのように楽しめるのか紹介する。
レンタルカートとは
レンタルカートはサーキットで借りられる競技用のゴーカート。ハンドル・アクセル・ブレーキという3系統のシンプルな操作で運転できるが、毎年世界大会が開かれるほど奥深い。それでも多くのサーキットでは特別な免許は必要なく、仕事帰りなどにふらっと「チョイ乗り」も可能な手軽さが魅力だ。
操作は3つで超シンプル

レンタルカートの操作系はハンドル・アクセル・ブレーキの3系統しかない。両手をハンドルに、右足をアクセルに、左足をブレーキに置いたら、手や足を離すことなく運転できる。クルマの性能は「走る・曲がる・止まる」の三要素。実際にカートは「走る・曲がる・止まる」以外に何もできない。だから運転にすべての神経を集中できる。
遊園地のゴーカートとの違い


遊園地のゴーカートとの違いはスピードと自由度だ。遊園地のゴーカートは、誰がどんな操作をしても怪我することがないよう、時速20km程度を限界にしている車両が多い。また、コースアウトしないようにコースが車両幅に合わせてガードレールで仕切られている場合がほとんどだ。
一方、サーキットで乗れるレンタルカートのトップスピードは60km/hから、速い場合で100km/hを超える。車高の低さも相まって、体感速度は200km/hに及ぶ。また、レンタルカートはタイムを競う競技性がある。コース上の走行位置によってタイムが大きく変わるので、「どこでアクセルを踏み、スピードを落とし、ハンドルを切るか」という走行上の自由度が高い。この自由度がカートに奥深い競技の世界を作り出している。
レンタルカートを提供しているサーキットではレースパックを用意している場合も多い。数名から予約できるので、友人たちとゲームさながらのガチンコレースを楽しむこともできる。レース後に感想戦を楽しんだり、レース前後にコースの攻略を語り合えるのもレンタルカートの特徴だ。

レンタルカートの性能
レンタルカートの運動性能は、基本的に未経験者が想像しているよりもはるかに高い。速度域が遊園地のゴーカートと比べて数倍に及ぶ上に、「走る・曲がる・止まる」の性能が総じてハイレベル。ゴーカートは車両の限界がかなり低く設定されているが、レンタルカートはその限界が高い。神経を研ぎ澄まし、タイヤの反応を感じながらコースを攻めると、0.1秒、また0.1秒とタイムが短縮されていく。


ハンドルを切りながらブレーキを踏み込めばスピンするし、ブレーキを踏まずにカーブに突入すればクラッシュする。だからヘルメットは必須だ。上達するほどに車両の限界付近での走行が増えるので、体への負担も相応に増える。本気で10分も走り込めば、大汗をかいてうなだれるほどに体力を消耗する。
また、一般的なカートには電子制御が存在しない。ハンドルと前輪は「機械的」に直結してあるので、地面とタイヤの摩擦抵抗は腕力でねじ伏せる。ブレーキやアクセルもワイヤーを介してダイレクトに操作する。操作系が極限までシンプルに作られているので、ドライバーのミスをコンピューターが帳尻合わせしてくれる仕組みはない。シンプルがゆえに繊細な操作が必要で、その感覚を掴むほどに上達できる奥深さが魅力だ。
マシン | 主な車種・エンジン | 最高速 | 特徴 |
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ゴーカート | 40km/h | 遊園地などで楽しめるレジャー向けカート | |
レンタルカート | 車種:Sodi RXシリーズなど | 60km/h | 一般的なレンタルサーキットで乗れるカート。 耐久性と安全性に優れる。 |
スポーツカート | 車種:YAMAHA MZ200など | 80km/h | レンタルより速く、スプリントより手軽。 レンタルカートと同じ4ストロークエンジンを採用。 |
スプリントカート | エンジン:YAMAHA KT100・VORTEX RADなど | 120km/h | OKクラスなどを筆頭に2ストロークエンジンを採用。 プロレーサーの登竜門として最も一般的。 |
サーキットカート | エンジン:ROK SHIFTERなど | 120km/h~ | 最も速く、通常のサーキットを走行する。 ミッション付き、水冷で最高速200km/h超えも。 |
