OKマシンの走らせ方
OKマシンを速く走らせるためには、通常の運転技術だけではなく、そのとき、その場所に合わせた走りの組み立てが必要になる。とはいえ、まずは体力をつけよう。強大な横Gに耐えられる首、がっしりと地面を掴んだタイヤを曲げる腕力、そしてレースを通して集中を保つ持久力が必要だ。
「同じ2ストロークの125cc水冷エンジンでも、ROTAX MAXよりもタフな体力が求められます。KTからROTAX MAXへの移行よりも、MAXからOKへの移行の方が大きなジャンプアップに感じるはずです」。
コンパクトに、クイックに走る
OKは、コース幅をめいっぱい使ってボトムスピードを稼ぐような走り方だけがベストではない。基本のアウト・イン・アウトは行いながらも、ブレーキの制動力や立ち上がりの加速力を活かすためにはコンパクトな走りが最適解になる。
「小さく回ることで走行距離を最小化し、タイムを削ります。旋回半径が小さくなるとボトムスピードが落ちますが、OK用タイヤのグリップ力と、エンジンの加速力がボトムスピードを相殺します」。
タイヤに合わせてコーナーを攻略する
各メーカーのタイヤには個性がある。たとえばOK CHAMP SERIESでは、毎レースで別のタイヤを使用するため、ドライバーの適応力が求められる。エア圧によっても特性が変わり、レースの中でもグリップ力は失われていく。常に、瞬時にタイヤの状態を感じ取るセンサーを磨こう。タイヤのタレはROTAX MAXでも発生するため、タイヤ感覚は他カテゴリーでも習得できるスキルだ。
「たとえば縦方向のグリップ力が高いDUNLOPタイヤでは、コーナーの進入でハードブレーキングし、制動距離でタイムを稼ぎます。反対に横方向が強いBRIDGESTONEタイヤの場合は、コーナーのボトムスピードを意識した走りになります」。
初めてのOKは本庄と鈴鹿がオススメ
初めてOKクラスに乗りたいと思った方にオススメのサーキットは本庄サーキットと、鈴鹿サーキットだ。OKクラスでドライバーを苦しめるのは高速コーナー。長時間横Gがかかるため、首への負荷が大きくなる。そこで本庄サーキットと鈴鹿サーキットは高速コーナーが少なく、ストレートで「息継ぎ」する機会が多い。
「本庄サーキットはRの大きなコーナーが最終コーナーしかないため、比較的走りやすいサーキットと言えるでしょう。鈴鹿サーキットは本庄サーキットほどではありませんが、高速コーナーが少なめ。そしてレースの聖地鈴鹿で走ることには誰しも胸が躍ります」。