所属するチームは慎重に選ぼう
レンタル形式でレーシングカートに乗せてくれるチームは多い。しかし、チームによって価格やサービスはまちまちだ。カート業界は巨大なマーケットではない上に専門性が高いため、相場が決まっているとはいいがたい。そこで坂上氏のアドバイスは、現地に足を運んでガレージやマシンをよく見ることだ。
「外装やエンジン回りに油飛びがなくマシンが綺麗なチーム、またピットが綺麗なチームは、メンテナンスが行き届いている傾向にあります。
年齢層もチェックポイントですね。ジュニアに力を入れているチームから、ジェントルマンがのホビーが中心のチームまでさまざまです。自分が参加したいレースに注力しているチームがいいでしょう。
最後はチームの雰囲気です。マシンを借りるチームには自分も所属することになります。遠征する場合はチームでの行動が基本。『ここで自分はやっていけるだろうか?』という視点で比較検討してください」
装備は安全性にこだわって選ぼう
最初は手ぶらでもいいが、長く乗り続けたいと感じたら安全性にこだわって装備を揃えよう。最高の装備がよければ、世界大会経験者のイチオシグッズをチェック!レース歴30年のショップ店長イチオシ|最高のカート装備8選。買うとなれば揃えるべき装備は多い。慌てずにひとつずつ吟味してほしい。
「ヘルメット、リブプロテクター、スーツ、ネックサポートは価格と品質がピンキリです。出場したい競技に必要な公認を取得した製品から吟味してください。『FIA-88××』など、競技規則で規格が定められています」。
自分のカートを持つべきタイミングは?
マイカートを持つべきタイミングは、大きく分けて二つある。もしも乗りこなせる確信があれば、最初の一台を購入してもいいだろう。
毎週走り込むほどのめり込む場合
カートをチームからレンタルし、メンテナンスを任せるというケースを想定してみよう。基本的にサーキット外でのメンテナンス費用はチーム持ちになるため、所有するのと比べて初期費用を抑えられる。
それでも毎週末走り込むほどのめり込むのであれば、マイカートを買った方がコストパフォーマンスの観点からも合理的になる。自分でメンテナンス、セッティングできるため、技術とこだわりを両立できる。
タイムが1秒に収まってきた時
「走行を重ねていると、今所属しているチームよりも勝利に近づけるチームに出会うかもしれません。本気で勝ちに行きたいと思ったらリザルトを確認して、ここで戦いたい!と思えるチームにアプローチしましょう。上位常連のチームはメンテナンスもしっかりしており、レース体制が完成されています」。
他の人と比べてではなく、自分の走行タイムがセッションを通して1秒におさまってきたら購入を検討してもいいだろう。安定して走れるということは、壊すリスクが低いということだ。その後のランニングコストや手間を考えても購入が合理的な選択肢になる。
また、タイムが安定してきたところからマシンのセッティングを変えることで、どのようにタイムが変動するか見られることも大きい。チームのセッティングと自分に合うセッティングが全く違って、アジャストしてみたら一気にタイムが伸びるケースもあるという。
最後に、KTを飛び出してX30やROTAX MAXの購入が視野に入ったら、そのときはチームを再検討するタイミングだ。