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Home»独占インタビュー»バイクがダメでもクルマがある 不屈のレーサー青木拓磨の終わりなき挑戦
独占インタビュー

バイクがダメでもクルマがある 不屈のレーサー青木拓磨の終わりなき挑戦

2024.7.18大矢根 翼
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ロードレーサー界のレジェンド、青木三兄弟の次男・青木拓磨(以下:拓磨)。拓磨氏は97年にGP500(現MotoGP)でフル参戦初年度にもかかわらず表彰台3回、年間ランキング5位を獲得した。しかしキャリアが絶頂に達しようとした翌98年、テスト走行中の事故で下半身不随となる。

  • これからという時の事故
  • 2輪がだめでも4輪がある
  • そして念願のルマンへ
    • もう一つの目標
  • レース開催・社会貢献…多彩な活動
    • レンタルバイクで耐久レース
    • 手だけで運転できるレース車両の講習
  • 障害の壁を壊し、皆がレースを楽しむ
  • 略歴

「バイクに乗れないなら、クルマで世界一のレースに出る」。拓磨氏は世界三大レースのルマン24時間耐久レースを目指して4輪レーサーとしての活動を開始。事故から23年後の21年にルマン出場を叶えた。不屈のレーサーとして世界への挑戦を続ける拓磨氏に、ルマンを走るまでの思いと、今後の目標を伺った。

これからという時の事故

「バイクの世界で多くの事故を見ていたので、完治が難しいことは知っていました」

NSR500で三度の表彰台を獲得し、史上初の日本人GP500チャンピオンを嘱望された98年。拓磨氏はテスト運転中の事故で脊髄を損傷し、半身不随となる。

青木三兄弟の次男として生まれ、小学4年生でレースデビュー。順調にステップアップして全日本選手権を制し、正ドライバーとしてGP500デビューした翌年のことだった。

ショック以上に不完全燃焼の思いが残った。「まだGP500の2シーズン目に入る前。これからという時の事故で、レースへの思いを消化できるわけがありませんでした」。淡々と語る口調が、逆に意思の据わり方を表していた。

日本で最低限の治療を済ませた拓磨氏は、より高度な医療を受けてレースに復帰するために渡米。当時最先端のEMS(神経筋電気刺激療法)を取り入れたリハビリで足腰を鍛えた。同時に、医師からすすめられた腕力のトレーニングも行った。レースにも移動にも、これからは足ではなく腕を使うのだ。

そして事故の翌年にはホンダレーシングの助監督としてモータースポーツの世界に復帰。4輪では国内レースから再スタートし、07年にFIA公認競技のアジアクロスカントリーラリーで再び世界に飛び出した。

2輪がだめでも4輪がある

「世界は目の前にぶら下がっていたんだ。2輪がダメなら4輪で勝ち取ってやる」

常人であればまだ気持ちの整理もつかないような時期に、拓磨氏は再び世界のステージで戦うと胸に誓った。

そのモチベーションはただの気合ではない。視線の先にいたレーサーは、かつてフェラーリなどのF1ドライバーとして活躍した故クレイ・レガッツォーニ氏だ。彼は事故で半身不随となってからレースに復帰。パリダカにも出場し、障害者への差別が色濃かった80年代に車いすレーサーの道を切り開いた人物だ。

拓磨氏はその姿を見て世界三大レースの一角、ルマン24時間耐久レースを目指したという。

挑戦はJAFの国内ライセンスを取得することから始まった。手動操作できるように改造されたマシンを駆って国内レースで実績を積み、07年のアジアクロスカントリーラリーでFIA競技デビュー。ダカール・ラリーへの出場も果たし、レガッツォーニ氏と同じステージに足を踏み入れた。

スーパー耐久シリーズやFIA GT3でも実績を残し、オンロードの4輪競技でも戦える実力を見せつけた。「ルマンへ行く」。JAFライセンスの発行から始まった挑戦は着実に前進した。

そして念願のルマンへ

18年、拓磨氏は身体に障害を持つドライバーだけで構成されたチーム「SRT41」に合流した。SRT41はルマン24時間耐久レースで革新的なマシンに送られる「ガレージ56」という出場枠に向けて活動し、16年にも出場実績がある。

合流後のSRT41では18年にVdeV耐久選手権、19年にUltimateCUPなどで経験を積み、20年のルマン出場を勝ち取った。このときはコロナ禍で出場を取り下げたが、翌21年、第98回ルマン24時間耐久レース出場を果たした。98年の事故から23年。願い続けた場所にたどり着いた。

ルマン24時間耐久レースは生活道路を1週間貸し切って行われ、世界中のレーサーやファンが集まる。多くの人が憧れるステージだが、走れるのは選ばれた人間のみ。超高速ストレートの「ユノディエール」からテクニカルセクションまであるコースのレイアウト。そんなルマンの舞台は「すべてがAmazing」だという。

100回目を迎えた23年のルマンはフェラーリ、ポルシェ、プジョーなどがトップカテゴリーのハイパーカークラスに復帰して大きな盛り上がりを見せた。盤石と思われたトヨタに代わって、49年ぶりに復活したフェラーリの優勝は感動をもって迎えられた。

全体のレベルが上がっている様子を見た拓磨氏の胸の中で、もう一度走りたいという思いが強まった。現在は次の出場に向けてアプローチを開始しているところだ。

もう一つの目標

ルマン再参戦と並ぶもう一つの目標は、拓磨氏がFIA公認競技に復帰するきっかけとなった、アジアクロスカントリーラリーの総合優勝だ。

クラス優勝は経験しているものの、総合での最高位は2011年の3位。昨22年の総合成績は4位だった。13回目となる23年8月の参戦に、優勝への意欲を燃やしている。

レース開催・社会貢献…多彩な活動

自身がドライバーとしてステアリングを握っていないときは、モータースポーツと安全運転の普及に尽力している。「目的は笑顔を生み出すことと社会貢献です」。

レースはスタートとゴールがわかりやすく、短時間で結果が数字になって表れる。動機・年齢・障害に関わらず、数値目標を立ててチャレンジすることは、人生のハリにもなるという。全力でモータースポーツを楽しんでもらうことが何よりのやりがいと語る。

レンタルバイクで耐久レース

とはいえモータースポーツのハードルと金銭的な負担は高い。そこで拓磨氏は「レン耐」を作りそれらを極限まで下げることにした。

レン耐は、全国のサーキットでユーザー参加型のレースを開催する。レース用のバイクを所持していなくても、APEやGromなどのバイクを借りてレースを楽しめる手軽さが特徴だ。ほぼ毎週どこかのサーキットでレースや練習会が開かれている。目下の目標は利用者年間1万人突破だ。

手だけで運転できるレース車両の講習

社会貢献では、一般社団法人国際スポーツアビリティ協会を主宰。障害の有無にかかわらず安全運転やスポーツ走行のレクチャーを行っている。

当協会の事業のひとつであるハンドドライブレーシングスクール(HDRS)では、手動装置付きのマーチカップ車両やN1を揃え、レース参加希望者への指導やライセンス取得の手引きを行っている。

障害の壁を壊し、皆がレースを楽しむ

これらの活動を通して、拓磨氏は自身がぶつかってきた障害の壁を壊そうとしている。

また、FIAにはDisability and Accessibility Commission(DAA)が立ち上がり、障害を持った人がモータースポーツのライセンスを取得できるよう働きかけている。「FIAは僕の活動も応援してくれています」。社会に残る障害や性別に対する差別の原因は、オーガナイザーの意識と、それに基づく体制だと語った。

「もう一度サルトサーキットを走りたい」「アジアクロスカントリーラリーで優勝したい」という闘志、「障害者に対する差別を打破したい」という想いを両輪に、拓磨氏はレースや事業を続けている。

それぞれは独立した活動ではない。拓磨氏の純粋なレース愛に触れれば、世界の老若男女がレースを楽しんでいる状態こそ、彼の目指す環境であることが見てとれる。

「レースを通じてみんなが笑顔になれるとき、僕は一番やりがいを感じるんです」。

略歴

ロードレース
年度レース戦績チーム・車種
1983ポケバイレースデビューレースデビュー
1990間瀬地方選手権
国内B級125・国内B級F3クラス
チャンピオンH-RS,H-NSR
1991全日本選手権国際A級250ccクラスランキング13位日清カップヌードル・ホンダ・RS-R
1992全日本選手権国際A級250ccクラスランキング4位日清カップヌードル・ホンダ・RS-R
1993全日本選手権国際A級250ccクラスランキング2位日清カップヌードル・ホンダ・ NSR
1994全日本選手権スーパーバイククラスランキング2位日清カップヌードル・ホンダ・RVF/RC45
1995全日本選手権スーパーバイククラスチャンピオン日清カップヌードル・ホンダ・RVF/RC45
1995世界選手権第3戦 JAPAN GP5003位HRC・NSR500
1996全日本選手権スーパーバイククラスチャンピオン日清カップヌードル・ホンダ・RVF/RC45
1996鈴鹿8耐3位カストロール・ホンダ・RVF/RC45
1997世界選手権 GP500 フル参戦シーズン5位HRC・NSR500V
4輪
年度レース戦績チーム・車種
2007アジアクロスカントリーラリー
T2-G
クラス2位team takuma-gp・三菱 トライトン
2008アジアクロスカントリーラリー T2-Dクラス優勝team takuma-gp・いすゞ D-MAX
2009アジアクロスカントリーラリー T2-D総合12位team takuma-gp・いすゞ D-MAX
2009ダカール・ラリー T2-2リタイアteam takuma-gp・いすゞ D-MAX
2010アジアクロスカントリーラリー T2-D総合8位team takuma-gp・いすゞ D-MAX
2010スーパー耐久ST4シーズン12位SAMuRAI 無限 ADVAN DC5
2011HONDA EXCITING CUP CIVIC INTER11位グイドシンプレックス・シビック・FD2
2011アジアクロスカントリーラリー T2-D総合3位team takuma-gp・いすゞ D-MAX
2012アジアクロスカントリーラリー T2-D総合6位team takuma-gp・いすゞ D-MAX
2012スーパー耐久 ST2シリーズ3位RSオガワADVANランサーII
2013アジアクロスカントリーラリー T2-D総合11位team takuma-gp・いすゞ D-MAX
2013FIA GT ASIA FUJIラウンド GTMクラス5位DIJON RACING・シボレー・コルベットGT3
2014アジアクロスカントリーラリー総合4位team takuma-gp・ISUZU MU-X
2014FIA GT ASIA GTMクラスシリーズ 2位ディランゴレーシング・ランボルギーニ・ガヤルドGT3
2015アジアクロスカントリーラリー総合17位team takuma-gp・ISUZU MU-X
2016アジアクロスカントリーラリー総合9位team takuma-gp・ISUZU MU-X
2017アジアクロスカントリーラリー総合6位team takuma-gp・Fortuner
2018ベドゥベ選手権クラス3位SRT 41・Ligier JSP3
2019アジアクロスカントリーラリー総合13位team takuma-gp・Fortuner
2019Takuma Rides AgainデモランRC213V-S
2021ルマン24時間耐久レース総合32位SRT41・Oreca07
2022アジアクロスカントリーラリー総合4位team takuma-gp・Fortuner
2023アジアクロスカントリーラリー
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