4月25日(木)占有走行 Gr.2 2回目(14:45〜15:45)
2回目のセッションでは、藤原大暉選手(以下、藤原くん)が先に走行し、続いて伊藤くん、そして私がステアリングを握りました。合計5周を走行し課題の一部はクリアできたものの、セクター1では依然としてチームメイトとの差が1.5秒以上残る状態でした。ギアの不具合が残る状況下でも冷静に自分のペースを守りながら、トライできるコーナーでは積極的に改善に努めました。
走行後はメカニックの迅速な対応により、ミッションの問題は無事に解決。翌日からは、完璧な状態のマシンで走行できることが確定しました。初めて18号車で鈴鹿サーキットを走るという緊張感は大きかったですが、「どんな状況でも、少しでも成長したい」という思いを胸に、気持ちをポジティブに切り替え、宿へと戻りました。


4月26日(金)占有走行 Gr.2 1回目(8:00〜9:00)
最初に伊藤くんがマシンセット出しを担当し、ニュータイヤでアタック開始。ベストタイムは2分21秒662を記録しました。まだ改善できるポイントはあるものの、予選ではさらにタイムアップが期待できる手応えが感じられる走行となり、週末の予選・決勝に向けて期待が高まります。
続いて藤原くんがオールドタイヤで走行し、2分23秒916をマーク。その後に私も3周を計測し、ベストは2分27秒185でした。正直、全コーナーに課題が残る状態でしたが、このセッションでは第1セクターだけに集中し、そこに慣れることを目標にして走行を重ねました。

4月26日(金)S耐特別スポーツ走行 Gr.1&Gr.2混走(10:00〜11:00)、占有走行 Gr.2 2回目(11:15〜12:15)
ここから、上位クラスとの混走セッションがスタートしました。ST-X、ST-Z、ST-1といった速いクラスとのスピード差を確認しながら、決勝シミュレーションとしてアベレージタイムを安定させることを最重要課題に設定。「マシンを壊さない」「他車に迷惑をかけない」「冷静な操作を心がける」——そう自分に言い聞かせ、緊張しながらコースインしました。
今まで取り組んできた課題をひとつずつ潰していったところ、初めて自分が体験したことのない速度域に達し、マシンの限界域がとてつもなく高くなったことを体感しました。特に第1セクターをはじめとする中高速コーナーでは、タイヤのグリップとダウンフォースによる強烈な荷重がかかり、ハンドルを押さえつけるのがやっとという状況に直面します。

18号車にはパワステが装備されていますが、それでも身体にかかる負担はこれまで経験したことのないレベルに達し、逆にハンドルを押さえきれず、アクセルを開けて行けない場面もありました。これは今まで一度も体験したことがない、新たな領域での走行です。コーナリング速度が上がるとともに、目に映る景色が一気に変わる——鈴鹿サーキットの奥深さと圧倒的な難易度の高さに、まさに洗礼を受けた思いでした。
オールドタイヤで2分27秒171を記録。タイム的には26秒台が見える局面もありましたが、わずかに届かず。チームの配慮もあり合計16周を走行することができ、鈴鹿の厳しさ、そして「攻略には1000周かかる」という言葉の重みを、改めて痛感するセッションとなりました。


4月26日(金)S耐特別スポーツ走行 Gr.1&Gr.2混走(15:30〜17:30)
午後のセッションでは、武夫さんが予選セットの確認走行を担当しました。続いて伊藤くんが走行し、再度武夫さんがハンドルを握り、決勝セットを煮詰めていきました。しかし、武夫さんの走行中にアクシデントが発生してマシンにダメージを負ってしまったため、この日の走行はここで終了となりました。


急ぎメカニックたちが懸命にマシン修復作業に取りかかり、チーム一丸となって予選・決勝に向けた準備を進めました。浅野レーシングサービスの底力と結束力を、改めて感じます。
明日はついに予選本番。正直、ここまでで「間に合わなかった」という悔しさもありましたが、それでも後悔なくやり切りたいという思いが強くありました。どんな状況でもこの鈴鹿ラウンドに参戦できた自分を誇りに思い、できるだけポジティブな気持ちで臨めるよう、心を整えます。
この日はマッサージを受けて疲れた身体をしっかりと労わりながら、「チームのみんなの気持ちもどんどん上がっている。何としても表彰台に上がりたい!」そんな強い想いを胸に、翌日に向けて静かに気持ちを高めていきました。
いつものごとく長くなってしまいましたので、予選&決勝の模様は【レポート2】でお届けします。どうぞお楽しみに!
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