ENEOSスーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE 第2戦「SUZUKA S耐」が4月26日(土)〜27日(日)、三重県・鈴鹿サーキットで開催されました。今回はST-TCRとST-2クラスがお休みとなりましたが、それでも全8クラス・52台がエントリー。27日の決勝は気温21度・ドライコンディションのなか、午前11時5 分より5時間に渡りレースが争われました。
浅野レーシングサービス WedsSport GR86(18号車)は、ST-4クラスにエントリー。レースは8回ものフルコースイエロー(FCY)が導入される波乱の展開となりましたが、そんな中でも18号車はトラブルを抱えながらも総合31位/52台中、クラス6位/9台中でチェッカーを受け、無事完走を果たしました。
なお、開幕戦のもてぎではST-4クラスは4時間耐久の2Days開催となったため、本レースは実質的に「第3戦」として迎える形となりました。

鈴鹿サーキットへの特別な思い
私、三上和美(&Race編集長)にとって、鈴鹿サーキットでのスーパー耐久参戦は、実に2003年以来となります。2024年はST-4クラスのレースがお休みで、2023年はレース復帰前だったため、長いブランクを経ての挑戦となりました。


世界中のドライバーから、「難コース」として知られている鈴鹿サーキット。その難易度の高さから2025年シーズンのフル参戦を決めた時点から、最も苦戦を覚悟していたラウンドです。参戦すべきかどうか、当初は大いに迷いました。しかし最終的には、「チャレンジしなければ学べない」「たとえ失敗しても、必ず次につながる」という思いを胸に、出場を決意。
”たとえ恥をかいたとしても、立ち向かった自分を誇りに思いたい。そして、もしあまりにもチームに迷惑をかけるような状況になった時には、潔く自分の立ち位置を見直そう——”そんな覚悟を抱いて、レースウィークに臨みました。

4月25日(木)占有走行 Gr.2 1回目(12:15〜13:15)
18号車の割り当てられたGr.2枠は、ST-4・ST-5クラスのみで、台数は24台と比較的走りやすい状況でした。まず浅野武夫選手(以下、武夫さんもしくは師匠)がコースインし、マシンチェックを実施。開始後すぐ、ミッションに渋さ(ギアの入りにくさ)があることが判明しましたが、次のセッションまでに交換する時間がなかったため、走行継続を決断。武夫さんは2年ぶりの鈴鹿走行にもかかわらず、安定したペースで6周を計測しました。
続いて伊藤慎之典選手(以下、伊藤くん)が確認走行を行い、その後、私が18号車で初めて鈴鹿を走行しました。マシンの高いポテンシャルは強く感じられたものの、ミッションの渋さが残る状況下で走行に完全に集中しきれない難しさもありましたが、それでも限られた機会の中で得られるものは多く、各コーナーの課題に集中しながら「攻めの姿勢」で走行。計6周を計測して、このセッションを終えました。


走行後、チームメイトたちに自分の走りを分析してもらったところ、データロガーで「1〜2コーナーおよびS字区間に大きな課題がある」ことが明らかになりました。
特に1〜2コーナーは「度胸が試される」と言われる難所で、伊藤くんからは「1コーナーは直線の延長、2コーナーがターンだ」とアドバイスされていました。しかし私にはどうしても1コーナーが高速カーブにしか見えず、恐怖心から大きく減速し、必要以上にシフトダウンしてしまう癖が抜けきれませんでした。
鈴鹿の1〜2コーナーは「世界で最も難しい」と評されることがあるほど難易度が高く、ここで安定して走れなければ、その後に続くS字区間もスムーズには攻略できません。
本番までの時間は限られていますが、走行のたびに少しでも成長できるよう気持ちを切り替えて、一つひとつ課題に取り組んでいくことを目標に設定しました。
