レーシンググローブを選ぶ時のポイントを紹介
縫い合わせ
内縫い
縫い合わせがグローブの内側に入るタイプ。縫い合わせがクッションとなるため悪路を走る時の手へのショックを吸収してくれる。その半面、細やかなステアリングインフォメーションを感じ取り難くなるデメリットがある。ステアリングインフォメーションの激しいラリーやダートトライアルでは選択肢となる。
外縫い
縫い合わせがグローブの外側に出るタイプ。掌や指とのフィット感が高くステアリングからのインフォメーションをダイレクトに感じることができる。その代わり生地の端部が丸見えとなるため、糸のほつれなどで見栄えが悪いことも少なくない。繊細なスタリングインフォメーションと細やかな操作を行いたい舗装路の競技では外縫いを好むドライバーが多い。
コンビネーション
ショックを吸収したい所には内縫い、ステアリングのインフォメーションを感じ取りたい部位は外縫い、といった具合に良い所取りをしたタイプ。手間がかかる製造法のためハイエンドモデルにのみ採用されている。
立体縫製
手の形に沿って立体的に縫製したもの。フィット感が更に増しステアリング操作をした時の手とグローブの間のズレも更に無くなる。手間のかかる製造法のためハイエンドモデルにのみ採用されている。
滑り止め材質
皮・スエード系
天然革やスエードを縫い合わせたもの。適度なグリップ力と滑り具合を両立させている。手とステアリングを滑らせながら操作する人には必須の滑り止め材となる。
シリコン系
極薄のシリコンシートを接着させるタイプ。強力なグリップ力を持ち、ほとんど厚みを持たないためステリングからの情報をダイレクトに感じ取れる。現在最も多いタイプの滑り止めはシリコン系となっている。
メーカー独自材
メーカー独自のグリップ材をシリコン同様に接着させるタイプ。シリコン同様に強力なグリップ力を持ち、厚みも薄いためステリングからのインフォメーションの妨げにならない。着色が可能なものがありデザイン性に優れる。
タッチパネル対応
タッチパネル式のディスプレイを操作できるように、親指と人差し指の先端にのみタッチパネル対応の材料を接着させたもの。基本的には滑り止めの機能は無い。車両にタッチパネル式のメーターなどが搭載されているならば必ず欲しい装備品。
ステアリングとの相性
気をつけて欲しいのは滑り止め性能がグローブ単品では決まらないということ。ステリングとセットで考えて欲しい。ステリング側も本革、合皮、スエード、ウッド、ウレタンなど様々なタイプが存在する。可能であれば相性を確認してから購入を決めてほしい。もしステアリングを取り外すことができるなら、ステアリング持参でお店に買いに行くのも良いかもしれない。
耐久性
残念ながら耐久性に関しては購入前に知るすべが無い。本来は口コミなどで確認しておきたい項目だが、特殊な製品のため口コミ情報は出てこない。私の経験と見聞きした限りでは、頻繁にサーキットを走る人だと1年くらいでボロボロになってしまうのが一般的なようだ。あとはどれだけ大事に扱うことができるかにかかっている。間違っても普段使いのドライビンググローブやメカニックグローブとして使わないように気をつけてほしい。
色
色に関しては他のレーシングギアと色合いを合わせるのが一般的だろう。ただし、視覚的に気分を高めるために異なる色を選ぶドライバーもいる。例えば、レース中に気分を高めたい人は赤、落ち着かせたい人は青、緊張を和らげたい場合は緑など。レーシンググローブはドライブ中に視界に入る唯一のレーシングギアのため遊び心を入れるのも良いのかもしれない。
店舗に実物を見に行こう
以上がレーシンググローブを購入する時に気をつけて見て欲しいポイントだ。今は通販で何でも買える時代になったが、レーシングギアだけは実際に店舗で試着をしてから購入を決めてもらいたい。実際にモノを見て触って悩んで決めたレーシンググローブなら愛用の一品になってくれることだろう。