車載映像を撮影すれば、自分の走りを客観的に見つめ直す機会を作れるので、走行外で技術を高められる。また、映像自体にも編集や共有といった楽しみがあるため、走行映像の撮影は一粒で二度おいしいと言えるだろう。
今回はスーパー耐久などに参戦する川福健太氏と、三上和美氏が推奨する車載カメラをご紹介させていただく。
おすすめの車載カメラ5選
それぞれのカメラは異なる個性を持っているため、明確な優劣があるわけではない。自分の運用や予算、求める機能で選ぶといいだろう。詳しくは後述しているので、カメラに目を通した後にご覧いただければ幸いだ。
M&S Dual Stream
最大解像度 | 1920×1080(FHD) |
最大フレームレート | 60fps |
最大画各 | 145° |
最大カメラ数 | 2 |
GPS機能 | 〇 |
ロガー機能 | 〇(Gセンサー・速度計測) |
その他主要機能 | 映像編集ソフト連携 |
税込価格 | 198,000円 |
M&SのDual Streamは&Race編集長、三上が自身の走行データ収集用に愛用しているカメラだ。2台のカメラを最大4K、60fpsで同時起動し、GPSと連動して走行ラインやスピードなどの情報と連携した動画データとして保存できる。2台のカメラは自由に配置できるので、1台を足元、1台を車室後方からの前方視野で撮影している。
無料の専用ソフトで映像を読み込めば、自動でサーキットが選択され、セクタータイムも取得できる。映像は時間軸が同期された状態で取得できるので、簡単に編集してインストラクターなどに見せられる。
手軽なセットアップでタイムアップを狙うのであれば、心強い味方になるだろう。
AIM SmartyCAM 3 Sport
最大解像度 | 1920×1080(FHD) |
最大フレームレート | 30fps |
最大画各 | 84° |
最大カメラ数 | 1 |
GPS機能 | 〇(別途モジュール) |
ロガー機能 | ◎(別途モジュール) |
その他主要機能 | Race Studio3連携 |
税込価格 | 141,900円~ |
AIMのSmartyCAM 3シリーズとその関連製品は、多くのプロが愛用するサーキットレコーダーのフラグシップモデルだ。アタッチメントを使えば、ECUやCAN通信などから走行中の操作情報を読み込んで多角的に走りを分析できる。
グレードによって機能が異なり、上位のCorsa、GP、Dualになると、画角、フレーム数、カメラ数が増える。
いずれのグレードでもアタッチメントのモジュールを装着することで、記録する情報を増やせる。自分の走りの中で分析したい部分に応じてモジュールを変えられるのが特徴だ。
Garmin Catalyst
最大解像度 | 1920×1080(FHD) |
最大フレームレート | 30fps |
最大画各 | 140° |
最大カメラ数 | 1 |
GPS機能 | 〇 |
ロガー機能 | 〇(Gセンサー・速度計測) |
その他主要機能 | 映像編集ソフト連携 |
税込価格 | 150,000円 |
スマートウォッチメーカーのGARMINが最近発売したレーシングカメラのCatalystは、運用の便利さが特長だ。多くのカメラでは、撮影した映像をしっかり確認するためにパソコンへ接続する必要があるが、Catalystはマグネット式のアームからタブレット型のモニターを取り外すだけで映像を確認できる。つまり、詳細な映像のチェックにパソコンへの接続が不要だ。
川福氏は2024年の参戦レースでCatalystの導入を決定。その理由を以下のように語った。
「走行の合間が30分しかない場合などは、タイヤのチェックなどを済ませてパソコンに取り込んだ映像を確認するとかなり慌ただしくなります。
CatalystにはCAN通信などとの連携機能こそありませんが、映像は見なければ意味がありません。『手軽に見る』に特化したモデルを探している、忙しいジェントルマンには特におすすめです」。
映像を気軽に見られるだけでなく、録画した各ラップのセクターを計測し、ベストのセクターを繋ぎ合わせた理論上のベストラップも提示してくれるため、走りの解析がスピーディーに進むだろう。