今回は中四国モータースポーツのメッカである、岡山国際サーキットを攻略する。ガイドはPorche Eeperience Centerでも講師を務める鈴木翔也選手。テクニカルな低中速コーナーが続く岡山国際サーキットは、F1開催経験という格式の高さと同時に、サーキットの身近さも魅力だ。
「立ち上がり重視」を徹底する「岡国」の走り方をぜひ走行に活かしていただきたい。名称のあるコーナーには、英国人ドライバーの名前がつけられている。
1~2コーナー
1コーナー
1コーナーへの進入は目いっぱいアウト側から。最もイン側に入り込んでクリップにつくポイントは、縁石が過去に走行したマシンのタイヤ痕で黒ずんでいる。そこを右フロントのタイヤで踏むようにハンドルを切り込もう。

「クリップは見えにくくなっているので、直前で見えて焦ることもあると思います。事前に曲がり方をイメージしてみましょう。ダンロップのゲートを通過したあたり、100~150m看板からのブレーキングになるはずなので、ブレーキを踏みながら徐々に曲がっていった先にクリップがあることをイメージしておくとスムーズです」。
ブレーキの踏み方は「止める」よりも「曲げる」ためのブレーキ。富士スピードウェイのTGRコーナー(1コーナー)のようにガツンと止めるわけではなく、鈴鹿サーキットの2コーナーのように、徐々に曲げていくためのブレーキングを心がけよう。
「立ち上がりはアウト側に向けてふくらみますが、コース幅の限界まで行く必要はありません。半分よりもアウトまでコース幅を使って脱出するイメージです」。
2コーナー(ウィリアムズ・コーナー)

2コーナーの別称は「ウィリアムズ・コーナー」。英国人ドライバーのジョナサン・ウィリアムズからその名を借りている。
「2コーナーもイメージがとても重要なコーナーです。1コーナーを立ち上がったらすぐに左に曲がっていく、大きなS字のようなコーナーです。そのため、コーナーに入る前にマシンの姿勢を整えましょう。切り返しで荷重を右のタイヤにかけたままターンインすると、マシンがふらつきにくくなります」。
中高速コーナーであるウィリアムズ・コーナーのクリップは点ではなく、ゾーンで取る。縁石に長時間フロントを沿わせるように走ると、脱出速度が向上する。また、コーナーの途中でアウト側に引っ張られてしまうと、アンダーステアが出てどんどんアウトにマシンが持っていかれてしまう。
「奥まで突っ込んでしまったり、コーナー進入前にマシンの向きが変わっていないと、クリップにつけず、アンダーステアが出やすくなります。出口に向けてアクセルを踏み増していきたいコーナーですが、1コーナーの立ち上がりからタイミングがずれているとコーナー全体を通して外にふくらんでしまいます」。
モス・エス~アトウッド・カーブ
モス・エス

ウィリアムズ・コーナーに続くモス・エスは、ドライバーのスターリング・モス選手が名前の由来だ。
「モス・エスはドライコンディションであれば、全開で直線的に駆け抜けることがセオリーです。しかし、雨が降ると川ができやすいポイントな上にシフトアップのタイミングが重なりやすいコーナーです。縁石に乗り上げると一気にマシンが滑りやすいので、雨の日には姿勢変化を起こさないことを意識しましょう」。
アトウッド・カーブ

岡山国際サーキットで最も長い直線であるバックストレートにつながるアトウッドカーブは、タイムを大きく左右する重要なコーナーだ。旋回しながら3つのRで構成された複合コーナーを抜けていく上り勾配のセクションになっている。
「アトウッド・カーブには複数の走行ラインがあります。いずれのラインも立ち上がり重視ですが、パワーのあるクルマはコンパクトに回ります。一方、パワーの小さなクルマはボトムスピードを稼ぐために大きめに回り、クリップには軽く触れてどんどん外側へふくらんでいくような立ち上がり方になります。初心者の方は後者のラインに近く、なるべく直線的に走ることを心がけるとタイムが安定するでしょう」。


