後半セクション
「後半セクションはブレーキを使う箇所が多いです。強いブレーキでフロントタイヤを使うコーナーが多くなります」。
5コーナー
バックストレートの終盤にあり、ヘアピンである6コーナー手前にある5コーナー。最短距離を全開で駆け抜けるべきか、6コーナーを意識してマシンの体勢作りを優先すべきか迷う高速コーナーだ。
「バックストレートのライン取りでタイムに大きな影響は出ませんが、5コーナー手前の縁石と、5コーナークリップにある縁石の間はミドルラインを通ってください。ずっとインベタで走っていくと、6コーナーの進入体勢を作りづらくなります」。


5コーナーを抜けた先にある6コーナーはタイトなヘアピンになっているので、マシンを真っ直ぐにしてハードブレーキに備えたい。5コーナーを抜けた先でしっかりと6コーナー進入のアウト側に寄ってブレーキングしよう。
6コーナー
6コーナーの進入時、KTなどはアウト側にある縁石がブレーキングの目印になる。縁石にマシンが差し掛かったらすぐにブレーキを踏むくらいのタイミングだ。
「ブレーキは強く短い、『止める』ブレーキングです。しかし、『止まったな』と思ってブレーキを離してしまうとマシンが曲がりません。コーナーの頂点までブレーキを残す(緩く制動をかけ続ける)ようにしましょう。最初が100のブレーキだとすると、100、90、80と少しずつ緩めていくイメージです。


イン側の縁石には思い切り乗ってください。外側から赤白の縁石、青い縁石、ダートという構成になっているので、土まで乗るようなイメージです。左のフロントタイヤが土に入るくらい内側を通ってOKです」。
横川さんから飛び出した6コーナー攻略の意外なキーワードは「フロントタイヤのトラクション」。リアタイヤに対して制動をかけたとき、フロントタイヤに残る推進力を使ってマシンを望む方向に進ませるということだ。
「クリップまでリアのブレーキを残さないとフロントタイヤのトラクションが抜けてしまい、思うようにマシンが曲がりません。反対にフロントタイヤをうまく使ってマシンを曲げられれば、クリップまでにマシンの向きが変わっているはずなので、そこからはアクセルを踏みながらアウト側目一杯までふくらんで加速します」。
7〜8コーナー
7コーナーは通称「モナココーナー」と呼ばれる、左にマシンがヨーイングしながらの左コーナーだ。横川さんも「新東京サーキットで一番難しいコーナー」という。常連だけが知るライン取りも教えてもらった。
「6コーナーを立ち上がったら一度、マシンをコースの中央まで振ります。そうすると7コーナー前の小さな右コーナーにまっすぐ進入できます。7コーナーのブレーキングは右コーナーの縁石に乗りながら踏んでください。縁石を踏まずにブレーキを踏むと、路面コンディションの都合上マシンが跳ねます」。


ブレーキングは強く、短くを心がけよう。6コーナーと同じようにクリップまでブレーキを残し、フロントのトラクションを使ってマシンを曲げよう。クリップはコーナーの頂点。立ち上がりを意識して奥側でクリップにつくと、アクセルを踏めなくなるという。
「進入してマシンを90度曲げ、マシンがクリップの手前まで来たら、8コーナーのクリップに視線を向けます。クリップからアクセルを踏み、8コーナーの縁石にカート半分くらい乗って脱出してください。縁石からは8コーナーの途中で降りるようにしましょう。乗らなくても、降りるのが早くてもマシンが跳ねます」。
ホームストレートにある左コーナーはインベタで通過し、1コーナーの進入位置に向けてまっすぐ進もう。


新東京サーキットは前後半でタイヤを使い分けよう
新東京サーキットは一筋縄では攻略できない。ポイントは、4コーナーまでの前半セクションではリアタイヤのトラクションを使ってマシンを曲げることを意識し、5コーナー以降の後半セクションではブレーキとフロントタイヤのグリップを活かしてマシンを曲げることだ。
新東京サーキットについてもっと詳しく知りたい方は、新東京サーキット・若濱 真之介 代表取締役インタビューの記事もご覧いただきたい。