スーパー耐久シリーズの24年シーズン第二回目の公式テストが5月8日、富士スピードウェイで開催されました。今回のテストは排気音量測定や夜間走行などもある、目前に迫った第2戦「富士SUPER TEC 24時間レース」を念頭に置いたもの。そこで私、三上和美は「24時間耐久走り」及び「夜間走行」(の厳しさ難しさ)を、嫌と言うほど学ぶことができた貴重な機会となりました。
また私たちの浅野レーシングサービス Wedssport GR86 18号車は3月31日のSUGO公式テストばかりか、開幕戦でももう本当に沢山のドラマを見せてくれておりまして、走っている側から言わせていただきますと「もうドラマは結構でございます」状態。
”24時間レース優勝への切符を掴むためにも、とにかく無事に、この公式テストを終えたい”チーム一同、こんな思いで当日を迎えました。
S耐公式テスト① 9時50分〜10時50分
まずはいつもの通り、Aドライバーの浅野武夫師匠(以降 武夫さん)がコースイン。エンジンの慣らしから開始、続いて伊藤慎之典(以降 伊藤くん)も慣らしを継続するとともに、マシンの状況を確認。次に芝叔和(以降 芝さん)さんが感触を確かめ、足回りのセッティングを変更することにしました。
スポーツ走行 S4-B 11時〜11時40分 S耐車両専用枠
2回目の走行ではいよいよ、私(三上)の出番です。今回は24時間レースの決勝シミュレーションですから、シフトアップは7000回転縛り。いつもよりかなり低い回転数です。ギアもダンロップコーナーなどでは通常より1つ上のギア3速で走行し、またとにかくマシンを労わるために縁石にも極力乗らないなど、「子猫の頭を撫でるような優しい操作と走り」が求められます。事前の公式テストといえ、今日から24時間のレースウィークが始まっていると言っても過言ではないのです。
さ〜て、意気揚々とコースに出たものの……7000回転でシフトアップすると、何となんと、いつもと全くペースが違うではないですか!
流れる景色もマシンの挙動も別物になるため、思わずブレーキもゆっくり目に踏んでしまったりと、調子が狂いまくります。もう頭の中で”うわ〜またいつもと違う!新たな学び登場!色々試さなきゃ……ええと……”などとジタバタしてはみたものの、自分の適応能力の低さにまたもや愕然。そんなこんなで6周計測したところで、チェッカーを受け終了となりました。
ベストタイムは2分2秒。中古タイヤといえ、もう少し速く走れなければどうしようもありません。
Racing School GoTakeのインストラクターでもある音速の貴公子伊藤くんに、車載ビデオを見てアドバイスをもらったところ、「シフトアップは7000回転で行うけど、コーナーはいつも通り攻めていかなきゃだめだよ」と、至極当然な愛の鞭をいただき納得。そりゃそうだよね。
いつもの悪い癖、「心のブレーキと、守りの走り」が不必要に出てしまい、メリハリもなく、まさしくエンジンの慣らしのような走行となってしまいました。悔しい〜!
S耐公式テスト② 13時30分〜14時30分
伊藤くんがさらにセッティングを煮詰めるために、ニュータイヤを履いてスタート。続いて武夫さんも確認をし、目途が立ったところでスーパー耐久初参戦の近藤尚史(以降 近藤さん)さんがハンドルを握りました。順調にセットは詰まっていったようではありますが……時々とはいえ「GR86の持病」も出たりして、ピットインピットアウトを繰り返す場面も見受けられました。
スポーツ走行 S4-C 14時40分〜15時20分 S耐車両専用枠
私の本日2回目の出番です。先ほどの課題を克服すべく、気合を入れて軽いホイールスピンを伴いつつコースイン!したものの、すぐに無線でメカニックさんに「そんな事したら、すぐに壊れるのでやめてね!」と怒られました。過去に「ピットアウト時はタイヤを温めるために、軽くホイールスピン」と教えられたことがありましたが……おお、これはいけなかったのかと反省。
さて肝心の走行ですが、タイヤの本数制限があるためにかなり摩耗した状態で走行しましたが、この摩耗に合わせた走りが二進も三進もいかず、思うような走りがなかなか出来ません。そうこうするうちに5速が入りにくくなって9周を計測したところでピットイン。急遽クラッチ交換となりました。
もし私のせいだったら、スミマセン……。ベストタイム同じく2分2秒。