ドライバーコメント
Aドライバー 浅野 武夫
今回初めてのブリヂストンスリックタイヤ、そして公式テストはどうでしたか?
「感触はやはり思った通りのBS(ブリヂストン)の作りでした。すごくグリップする」
思った通りのBSというのは、具体的にどんなものか教えていただけますか?
「基本的にずっとBSユーザーだったんで、BSの感覚ってのはやっぱりもうずっと変わってないです。長く使ってきた人はわかるよね。俺は20年30年と使ってきて、人生のほとんどをBSユーザーとして過ごしてきた。やっぱり信用できるし安心感がある。
グリップの落ち始め……タイヤが減ったときに、いきなりドカンと裏切るようなことはない。だから安心して攻められる。
今回の合同テストで、タイヤに合わせた車のセットがだいぶ出来上がったんで、あとは本番に向けて微調整で済むんじゃないかなっていう気はします」
2023年武夫さんにとってはどんな1年でしたか?
「新しいドライバーが加入して、活躍してくれたから、それがね良かった。(伊藤 慎之典?三上和美?どっちだ??)そのおかげで、『自分の年齢を感じないところ』が出てきました。やっぱり、負けたくないっていう気持ちの方が強くなってきたよね。年をとってくると、妥協するところがいっぱい出てきてしまっていた。『はい、これはできないや』とかね、もう無理だっていう気持ちが。でも24時間の表彰台から、流れがうまく変わって行った。
去年は80%ぐらいの出来だったかな?っていう、そんな気がする。でも100%だと言える1年はきっとないと思う。だからレースは面白いんだよ」
今年はどんな1年にしたいですかね。
「そうですね、できたら全戦表彰台でいきたいですよね」
ライバルも頑張ってますし、強いですから簡単にはいかないですよね。
「それはもう当然だから。だからみんなモチベーション上がるんだよ。まあね、やるからにはそういう気持ちでやってやらないと、楽しくないからね」
Bドライバー 伊藤 慎之典
今年初めての公式テスト、そしてスリックタイヤはいかがでしたか?
「今までと比較して、当然ですがめちゃくちゃグリップしますね。最後に良いタイムが出て、今年新規加入の上村くんと一緒にセッティングも決められて、良かったです」
タイヤはどのくらい変わったように感じますか?
「去年のニュータイヤとピークで比較すると、大体1.3~1.5倍値でも全然グリップするような感じなんで、相当速いスピードでコーナー曲がれるようになったかと思います」
もう、マシンが別物って感じだったよね
「そうですね。今までUSEDだとブレーキがちょっと必要だったコーナーも、もうブレーキいらない、アクセルオフだけで全然いけちゃってるんで。今はまだ限界はもうちょっと上にあるのかな?って思いながら走ってましたけど、でもそのぐらい車もタイヤもいい。車もセットアップも大まか煮詰まって来ていて、もう少し変更は必要ですけど、次のレースウィークで2日間もあれば、何とかそこを合わせ込んでいけるかなって思っています。開幕戦は、このテストの結果を見る限りはいいところに行けたらなと思います」
ありがとうございます!FIA-F4から、昨年初めてスーパー耐久にフル参戦してどんな1年でしたか?
「去年は正直、開幕戦とか最初の頃は結構手探りな状態で、最初の頃は結果も出せなくて、自分の実力を発揮し切れていない感じがすごくありました。うまく走れないために、自分のメンタルも保つのが難しかったけど、後半になって走りも掴めて来て、良いタイム良いペースでも走れるようになり、どんどんチームとも打ち解けてきて、成績も上がってきて、結果もついて来たので、自分の中では最高に良いシーズンだったと思います」
今年の目標、どんなシーズンにしたいか教えていただけますか?
「昨年のように右肩上がりで調子を上げていき、全戦表彰台に上がり、自分自身も成長していきたいです。ワクワクする楽しいシーズンにしたいです!ライバルも強いと思いますが、結果を出して行きたいです」
Dドライバー 上村 優太
初めての浅野レーシングサービス、ST4クラス、GR86はいかがでしたか?
「ST4クラスのマシン(TOYOTA GR86)は本当に、めちゃくちゃ楽しかったです!今までGT3とかカップカーに乗ることが多かったんですが、HパターンFRは、とても勉強になります。基本に忠実に走らないといけないですから。チームの雰囲気もすごく良いし、今年はとにかく勝ちにこだわりたいと思って僕はここに来ているんで、頑張りたいと思います」
2024年はどんなシーズンにしたいですか?
「開幕戦は僕以外のメンバーに頑張っていただいて(スケジュールの関係で参戦できないため)、次戦の富士24時間はノントラブルで、表彰台には絶対乗りたいです。シーズン後半にかけてどんどん良くなっていくような、右肩上がりのシーズンにできればなとは思ってますね。僕の運転のスタイルとして、耐久レースであっても『スプリントか?』と思うような熱い走りを見せたいなって思っています。ぜひ楽しみにしてください」
最後に、Cドライバー三上から……
30日は10周程度、31日は15周ほど周回させていただいたのですが、順調にタイムアップするかと思いきや「沼」にハマり、色々走りを試行錯誤しているうちに時間切れとなってしまいました。短時間で刻々と変化するマシンや路面、環境に適応することができず、久しぶりのスーパー耐久の雰囲気に「完全に飲まれてしまった」感じがあります。
さらに試したことが全て裏目に出てしまったばかりか、超ハイレベルなスリックタイヤとテクニカルなSUGOのコースに完全お手上げ。チームメイトよりもかなりタイムは劣ってしまっているので……こんな状況で開幕戦が迎えられるのか?と不安な思いがあります。昨年のスーパー耐久も毎回、本当にめちゃくちゃ大変でしたが、今年はもっと大変な一年になりそうです。
しかし、目指すは全戦表彰台。どんな状況でも0,1秒でも速く走りたいといつも思っているし、自分の限界を毎回超えていくことを、目指しています。
ライバルは常に弱い自分自身との戦い。限界を超えたくても越えられない恐怖に打ち勝つことですが、もちろんチームメイトにも負けたくありません。20歳以上歳が離れていますが、走っている時は彼らと同じ気持ちです。
年齢を言い訳にしたら、師匠に「いい加減にしろ」と言われてしまいますものね。そう、このチームの良いところに、「年齢を言い訳にできない」という点がありますね。常に高みを目指す師匠と、本気で日本を代表するトップドライバーを目指す若手二人に挟まれ、何とも贅沢な環境だと思います。この環境は奇跡としか思っていません。与えられた環境を最大限活かし、学び成長して行きたいのです。
昨年のことやレース復帰の詳しい経緯は、後日コラムで連載予定なので、楽しみにお待ちください。(おいおい、今回のレポートより昨年のそのコラムが先だろうというツッコミありがとうございます。写真待ち状態なんです)
さてさて、2024年スーパー耐久があと少しで開幕しますよ〜!どんなレポートが届くか、胸をときめかせてお待ちくださいね。