富士スピードウェイのスポーツ走行枠を86/BRZ Cup車両で全開走行できるサービス、「86 RACER’S」。このスポーツ走行サービスは、ただ単にレース用車両を借りてサーキットを走れるというだけではない。走行前に「どうすれば速く走れるか」、走行後に「どうすればもっと速くなるか」をデータ重視で教えてもらえる、コーチングサービスでもあるのだ。
維持費やメンテナンスの手間を考える必要はない。利用者のリピート率は7割以上を超えるという86RACER’Sに、編集部もアドバイスを受けた。
初心者から0.1秒を削りたい人まで
「がむしゃらに走り込むだけでは、タイムが伸びない原因はわかりません」
そう断言するのは、86RACER’Sの発起人でGT500チャンピオンなどを獲得した、株式会社SHIFT代表取締役の竹内浩典氏。そこで86RACER’Sでは「走り方を教える・走らせる・再現できていない部分をフィードバック」という手法をとっている。走り方を理解した上でサーキットインしてもらい、走行後に実際の走りと目標の差をあぶり出す。このサイクルを回すことで、受講生は確実に目標タイムへ近づける。
アドバイスは受講生のレベルに合わせて行われる。「サーキット初心者であれば『思い切りブレーキを踏んでみましょう』から始めます。あと0.1秒を削りたい人には限界領域でのテクニックを伝授します」。だから受講生は次に起こすべきアクションを把握した上でサーキットに出ることができる。
データを駆使して「より速い走り」を教えてもらえる
データロガーおよびロガーと連動した映像は、どうすれば速くなるかを言葉より雄弁に教えてくれる。データロガーにはブレーキタイミングやハンドルの舵角など、あらゆる走行情報がコンマ秒単位で刻まれている。竹内氏がレコードタイムを記録した時のログと重ね合わせれば、どこで何をすべきか一目瞭然だ。
同じタイムを出していても、そのタイムの理由は十人十色だ。86RACER’Sはデータを用いて理由を分析し、次の一手を提案する。遅いポイントは走行データとともに示されるので、講師のアドバイスには重みがある。