15年のブランクを経て表彰台に立った受講生
&Race編集長でレース経験のある三上和美も、実際に86Racer’sを受講した生徒の一人。三上は、15年前にレース活動を引退してから全くサーキットを走っていなかったが、2023年5月27〜28日に開催されたスーパー耐久富士24時間レースへの参戦が急遽決まった。参戦を決意してからレースまでは2ヶ月しかなかったという。
スーパー耐久の車両は基本的に事前の練習ができないので、乗れるとしたらレースウィークの占有走行のみ。昔のように走れるのか、ヒールアンドトウができるのか、体力が持つのか、動体視力は大丈夫なのか。不安は数えきれなかったという。
短期間で準備するには、優秀なインストラクターについて、レース車両と性能や乗り心地が近いマシンで練習するしかない。ネットで検索しまくり、比較検討の末に86RACER’Sに決めたという。
「青いファルケン☆GT-Rを駆るシリーズチャンピオンの竹内さんは私にとって雲の上の存在。20年前に同じスーパー耐久に参戦していた時は声をかけることもできず、遠くから竹内さんを眺めていました」。
富士を知り尽くしたその竹内氏から「100Rは6番ポストを目指して踏みなさい」など、具体的で再現性の高い指導を受けた。「言われた通りにするとどんどんタイムが伸びていくんです」。その感覚を掴むと、クルマの走らせ方も変わっていった。
「三上さんの場合、13コーナーのブレーキの踏み始めが僕より車1台分手前。クリップ(コーナーの最もイン側に入るポイント)につこうとして一度ブレーキを抜いているでしょう。ほらここ。だからフロントタイヤから荷重が抜けて、そこからさらにこじってハンドルを切っているからアクセルを踏むタイミングも遅くなって、向きがいつまでも変わらず脱出速度が落ちていますね。スープラコーナーも同じです。ここを改善すればセクター3で1秒削れますよ」
「講師陣はスーパー耐久経験者なので、予選一発のタイムだけではなく、レースの勝ち方まで教えてもらえました」。
車両はメカニックの整備済な上に、スペアパーツは潤沢。持ち込みの車両であれば1日の走行が終わってしまうようなトラブルがあっても、すぐにスペアカーで出走できる。
「ノンストップで練習ができる。仕事の合間にサーキットを走る私にはとても助かりました。自前で車両を用意する初期投資をせずに自分が持つポテンシャルの限界に挑むという、この上なく贅沢な経験ができました」。
結果は復帰戦で表彰台獲得。「86RACER’Sなしでこの結果は出なかったと思います」。
竹内氏自身が欲しかったサービス
下積み時代は寝る間も惜しんで働き、がむしゃらに走り込んだ竹内氏。だが、それだけでは自分がどのくらい速いのか、どこに向かって何をすればいいのか見えなかった。
「目指すべきタイムと走り方はこれ。今からするべきことはこれ。そう教えてくれる存在がいたらもっと楽だったでしょう」。
SUPER GTやスーパー耐久でチャンピオンを獲るまでにいたった男でも、下積み時代の環境には不満があったのだ。2012年にSUPER GTのシートを降りた竹内氏は、富士スピードウェイの関係者に話を持ち込み「若い頃に欲しかったサービスを作りたい」と説得して回った。
「立ち上げるならここしか考えられませんでした。僕のレース人生はここで始まったので」
竹内氏のレースキャリアは富士で幕を開けた。全日本選手権へステップアップする切符を掴み取ったのも富士だ。86RACER’Sは、竹内氏が思い描く「これがあれば俺はもっと速くなれた」を広めることでスポーツ走行のレベルを上げる、レース業界への恩返しだ。
クルマやガレージは用意しなくてよい、予約してサーキットへ行き、タイムを出すことだけに集中すればいい。毎日整備されているレース用GR86のコンディションは常に万全だ。手軽に乗れて確実にタイムアップできるパッケージングによって、86RACER’Sはレンタルサービスの枠組みに収まらないレーシング体験を提供している。
スポーツ走行(30分) | サーキットタクシー | 体験走行 | レース利用 | |
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料金 | 旧型86 T4枠:42,400円 (タイム・最高速制限あり) 旧型86 S4/NS4枠:60,500円 新型86:75,000円 | 7,100円 | 6,200円 | 363,000円〜 |
持ち物 | ヘルメット グローブ 長袖・長ズボン、FISCOライセンスカード 健康保険証 | 特になし | 特になし | 4輪競技用ヘルメット 耐火性レーシングスーツ グローブ バラクラバス シューズ ソックス FHRシステム(ハンス) |
詳細 | 86RACER’S 公式サイト |