25年ぶりのレース復帰で得たもの
近藤さんは2024年、富士スピードウェイでスーパー耐久デビューを果たした。およそ25年ぶりのレース復帰だ。復帰の理由は「半分は趣味で、半分は仕事」という。
「トヨタ自動車さんもモリゾウさん(豊田章男会長)というトップがレースに出ている。トップが乗って評価できるといい車やパーツができる。自分も乗れないと自社製品の評価はできない、そしてしっかり乗れることを対外的にもアピールしたいと思った。それが理由です」
久しぶりに参戦した感想を尋ねると「いやあ、舐めてますよね(笑)」と返ってきた。
「今のS耐はレベルがすごく高くて、事前準備が必要。練習もそんなにできなかったし、ここまで長時間乗ったこともない。本番でいきなり80分よく乗れたなと。でもラップタイムはあまり速くなかったけど、あせることもなく無事故無違反で、最低限のノルマは達成できました」
今後の参戦については「考えてはいるけど、S耐もレベルが上がってきて勝とうと思ったら若手ドライバーをそろえなきゃいけない。ジェントルマンが何人もいたら勝てないので、そこがどうかなと…」と決めかねる様子。

ST-4クラス「WedsSport GR86」で挑んだスーパー耐久

その眼差しの奥には、緊張と闘志が共存していた

「でもみんな参戦をほめてくれてね。その年齢ですごいね、刺激をもらったよって。近藤さんがやるなら自分もレースに出たいと言う人もいて、実際にライセンス取る人もいて。まだまだ諦めるものではないなと思いましたね」
車いじりやレースが大好きで、サードは仕事と思っていない部分もあるという近藤さん。「将来どうなるかは分からないけど、ずっと車と関わっていたいね」と目を輝かせていた。

「ずっと車と関わっていたい」と笑顔で未来を見据える
撮影:野崎泰佑/安田雅樹 協力:株式会社サード


