日本では数多くの参加型モータースポーツが開催されている。JAF公認の参加型レースに的を絞っても凄まじい数がある。その中にはレースに詳しい人にも知られていないローカルカテゴリーもあることだろう。
この記事では「鈴鹿サーキット」で独自に開催されているローカルカテゴリーの参加型レースをご紹介する。これからレースデビューを考えている人や、出場カテゴリーの変更を考えている人は参考にしてもらいたい。
鈴鹿サーキットのローカルレース紹介
三重県鈴鹿市にある毎年F1日本GPが開催される国際サーキット。レーシングカーのコンストラクターが隣接しているため日本独自のレーシングカーによるレースが新設され全国のサーキットに広がるのが近年のトレンド。
FFチャレンジ
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ホンダシビックのナンバー無し車両を用いたレース。2023年を最後に開催終了。モビリティリゾートもてぎのもてぎCIVIC、筑波サーキットのTTC1600が類似レギュレーションとなっている。
出場車種 | 自動車登録番号標 | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|---|
ホンダシビックSiR (EG6, EK4型) ホンダシビックタイプR (EK9型) | ナンバー無し | 3回/年 | 20~32台 |
FIT 1.5チャレンジカップ
JAF国内競技車両規則 第3章, 第4章, 第5章”量産ツーリングカー(N1)”に合致した、FIT(GK5,GE8,GD3型)を用いたレース。スポーツランドSUGOとモビリティリゾートもてぎのもてぎ・菅生 Fit1.5 チャレンジカップが類似レギュレーションとなっている。
出場車種 | 自動車登録番号標 | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|---|
FIT(GK5型) | ナンバー無し | 4回/年 | 9~13台 |
その他の開催カテゴリー
全国的に共通レギュレーションで開催されているレースとしては、フォーミュラ系が盛んに開催されている。VITAは鈴鹿サーキットから始まって全国的に広まったレースである。フォーミュラEnjoyやv.Granzも全国のサーキットに広まりはじめている。
カテゴリー名 | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|
フォーミュラEnjoy | 4回/年 | 20~32台 |
VITA | 4回/年 | 21~31台 |
v.Granz | 4回/年 | 11~15台 |
N-ONE QWNER’S CUP | 2回/年 | 49~50台 |
TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cup | 1回/年 | 55~75台 |
TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup クラブマンシリーズ | 1回/年 | 24台 |
BMW & MINI Racing | 2回/年 | 20~21台 |
TCR JAPAN Series | 1回(2レース)/年 | 6台 |
Porsche Sprint Challenge Japan | 1回(2レース)/年 | 17台 |
Porsche Carrera Cup Japan | 3回(5レース)/年 | 12~20台 |
JAFツーリングカー選手権 ロードスター・パーティレースⅢ ジャパンツアーシリーズ | 2024年から開催 | – |
JAF鈴鹿・岡山スーパーFJ選手権 | 3回/年 | 22~23台 |
Fomula Beat地方選手権 | 1回/年 | 14台 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 | 1回(3レース)/年 | 12台 |
FIA-F4 | 2回(4レース)/年 | 44~46台 |
FORMULA REGIONAL | 1回(2レース)/年 | 7台 |
出場レースを決める時のポイント
サーキットライセンス取得費用の確認は忘れずに!
モータースポーツに関係するライセンスは大きく2種類が存在する。ひとつはレースに出場するためのJAFが発行するモータースポーツライセンス。もうひとつはサーキットを練習走行するためのサーキットライセンスだ。後者はライセンスと言うよりはサーキットを利用するための会員証といったほうが世間一般的には伝わりやすいのではないかと思う。
サーキットライセンスは各々のサーキットが発行するため、複数のサーキットのレースに出場すると、そのサーキットライセンスの年会費がレース活動費を圧迫する。サーキットライセンスの入会金、年会費、更新料は必ず確認をしておいてほしい。
共有化ライセンスは必ず活用しよう!
少しでもライセンス費用を圧縮する方法として共有化ライセンスを活用する方法がある。一部のサーキット同士でライセンスを共通化していることがある。
具体的には「鈴鹿サーキット」と「モビリティリゾートもてぎ」は申請を行えば同じライセンスカードで走行が可能。他にも「富士スピードウェイ」と「筑波サーキット」の一部カテゴリーでライセンス取得料金の割引をしていたり、「岡山国際サーキット」&「オートポリス」&「スポーツランドSUGO」がライセンスを共有化している。
サーキットライセンスの入会金、年会費、更新料はなかなかに馬鹿にできない金額のため活用しない手はない。
サーキットマナーの良いレースを選ぼう!
ローカルレースが消滅する理由は参加台数の減少が全てではない。出場者のルール違反やマナー悪化が著しい場合もレースが開催されなくなることがある。出場してみようと思ったレースには、現地へ足を運んでマナーの良し悪しを確認してみてほしい。
ゴミ処理や喫煙はルールを守っているか!
出場者のマナーの良し悪しはコース上・・・ではなくピットの扱いに現れる。ゴミを不法投棄していないか?吸ってはいけない所で隠れて喫煙していないか?ピットの扱いを見ると一目瞭然だ。現地にレースを見に行った時はコース上だけでなくピットやパドックの様子を確認しておこう!
サーキット近隣での暴走行為は言語道断!
レースイベントはサーキット近隣に住む方々の理解があってはじめて開催が可能になる。サーキット近隣での交通違反や暴走行為はカテゴリー消滅どころかレースイベントそのものを消滅させてしまう行為。モータースポーツを嗜むのであれば常日頃から交通ルールは厳守しよう。
この記事の中に出場したいレースが無い場合は・・・
この記事では「鈴鹿サーキット」のローカルレースをご紹介したのだが、残念ながら“この中には出場したいレースが無い” そんな人もいることだろう。その場合は他で公開している”各サーキットごとのローカルレース”と”全国的に共通レギュレーションで開催されているレース”をまとめた記事も参考にしてもらいたい。
他のサーキットのローカルレース紹介記事リンク
- “十勝スピードウェイ”編
- “スポーツランドSUGO”編
- “モビリティリゾートもてぎ”編
- “筑波サーキット”編
- “富士スピードウェイ”編
- “鈴鹿サーキット”編
- “岡山国際サーキット”編
- “オートポリス”編
全国共通レギュレーションのローカルレース紹介記事リンク
- “自動車メーカー系ワンメイクレース”編
- “海外製レーシングカー”編
- “日本独自のレーシングカー”編
- “JAF/FIA選手権”編
それでもやっぱり“出場したいレースが無い” 場合は、調べる範囲を広げて、耐久レースやスピード競技、JAF非公認のレースを探してみて欲しい。日本の参加型モータースポーツの裾野は広い!出場したいレースはきっと見つかるはずだ。