4時間耐久レース 決勝(13:15〜)
グリッドウォーク
最終戦ということもありグリッド上には本当に多くのファンが集まり、スタート前から大きな盛り上がりを感じました。
私(&Race編集長・三上和美)がスーパー耐久に復帰してから3年が経ち、気がつけばたくさんの仲間や戦友が増えました。SIMを始めたことをきっかけに、サーキットでも多くのSIM仲間が声をかけて応援してくださるようになりました。
そして一番の人気者はやっぱり師匠(浅野武夫選手)です。多くの関係者が次々と挨拶に来られる光景を見ていると、師匠がこれまで積み上げてきたものの大きさと存在感を改めて感じ、胸が熱くなりました。


いつもかっこいいエアロありがとうございます!



決勝レーススタート!
いよいよ決勝レースがスタートしました。今回のスタートドライバーは武夫さん。序盤から落ち着いた良いペースで周回を重ね、4周目に41号車をパスして7位から6位にポジションアップ。その勢いのまま884号車も1コーナーでクロスラインから抜き、5位に浮上しました。


レジェンドらしい圧巻の走りに、ピットは大きく沸きました。その後41号車に抜き返される場面もありましたが、着実に規定周回数を消化し、伊藤慎之典選手(以下、伊藤くん)へバトンタッチ。伊藤くんが粘り強く順位を引き上げ、私にステアリングが渡る頃には2位争いが視界に入るところまで来ていました。

しかしここで、私に思わぬ試練が待っていました。今回のセットは満タンでの走行が想像以上に難しく、序盤から車をコントロールするだけで精一杯で、なかなかペースを作れません。さらに最初の1周目はタイヤが驚くほど冷えており、混戦の中で効率よく温めることもできず、これまでに経験したことのない想定外の出来事が次々と重なっていきました。
「一度でいいからこのセットで満タンの練習をしておきたかった。次回の課題」。そんな思いでいっぱいになりました。

一方で驚いたこともありました。57台の混走にも関わらず、他クラスのドライバーたちは予想していたよりもずっと丁寧で、車1〜2台分ほどスペースを空けてパスしてくれる走りでした。これまで接触しそうなギリギリの距離まで寄ってくることも多かったので、正直「なんて平和なんだろう」と思わず動揺してしまうほど。
そこへ60号車が速いペースで追い上げてきて、最終的に抜かれてしまい私は4位に後退。最後まで自分のペースをつかめないまま規定周回数を終え、藤原大暉選手(以下、大暉くん)にステアリングを託しました。
そこからの大暉くんは、とにかく速かった! SUPER GTドライバーとしての実力を存分に発揮してハイペースで周回を重ね、前を走る60号車と激しい3位争いを続けました。差は常に1秒前後。すでにコースは暗くなり始め視界も難しくなるなか、粘り続けて最後の2分。1コーナーでついにオーバーテイクを成功! 3位に浮上しそのまま0.4秒差でチェッカーを受け、久しぶりの表彰台を獲得しました。
チェッカーが振られた瞬間、チーム全員が抱き合って涙を浮かべました。武夫さんをどうしても表彰台に上げたいというみんなの願いが叶った瞬間、胸の奥が熱くなりました。本当に長い苦しみと葛藤から解放されたような、特別な時間でした。


