ドライバーレポート
Aドライバー 浅野武夫選手
「三上選手のペースがとても良かったので、私がその後プレッシャーを感じすぎてしまい、結果としてピットロード速度違反をしてしまいました。そこが本当に悔やまれます。ただ、走り始めてみればマシンも非常に安定していて、レース全体の流れも悪くなく、久しぶりに心から楽しいと思えるレースができました。最終戦に向けては、しっかりと準備して、チーム一丸となってさらに上位を目指したいと思います。」

Bドライバー 伊藤慎之典選手
「今回は『いかにタイヤを持たせつつ、なおかつペースも落とさず走るか』をテーマに挑みました。マシンのポテンシャルをしっかり引き出せた手応えがありましたし、スティント終盤にはタイヤも使い切った感覚がありました。これ以上のタイムは正直難しかったと思うので、内容には満足しています。次戦の最終戦も全力で臨みます!」

Dドライバー 藤原大暉選手
「レース前に立てた戦略通りに進めることができましたが、結果的にはトップ車両にラップダウンされてしまい、悔しさも残ります。それでも、18号車はトラブルなく完走することができ、内容としてはこれまでで一番良いレースだったと感じています。次はいよいよ最終戦。マシンの仕上がりや、自分自身のドライビング、特にタイヤマネージメントに課題があるので、しっかりシミュレーションして、表彰台を狙いたいです!」

最後に、Cドライバー 三上和美
「今回はマシンのバランスが非常に良く、エンジンのフィーリングも力強く感じられ、『これまでで一番しっかりとレース運びができた』と実感できる内容となりました。その要因として何より大きかったのは、事前に準備ができていたこと。改めて「準備の質が自分のレース結果に直結すること」を、身をもって体感しました。
これまでのレースでは、鈴鹿をはじめとしたいくつかのラウンドで、準備時間などの関係でSIMや走り込みが不足していたこともあり、思うように結果が出せなかった場面もありましたが、ようやく「どうやってレースに挑むべきか」「どのように準備を整えればいいのか」という自分なりの形が見えてきた気がします。
特に、影山選手の走りは後方から見ていても圧巻で、その一挙手一投足にレジェンドとしての説得力があり、学ぶことばかりでした。GR86でオートポリスを走る楽しさとエキサイティングな感覚は特別で、この経験を通じて自分が一段ステップアップできたという実感があります。
また前戦・富士に続き、チームメイトとのアベレージラップに大きな差が出なかったことも、自信につながりました。マシンの調子も上向きで手応えを感じているので、最終戦こそ表彰台を目指し、これまで以上に準備とトレーニングに力を注ぎます。いつも応援してくださるファンの皆さま、支えてくださるスポンサーの皆さま、本当にありがとうございます」

あとがき
今回のオートポリスラウンドは、私にとってこれまでのレース人生の中で最も気温の高い、まさに「灼熱」のレースとなりました。ところが、チームスタッフたちは口をそろえて「今年のオートポリスは涼しくて最高だよ」と言うのです。最初は冗談かと思ったのですが、他チームのドライバーや関係者も同じようなことを話していて、本気だと気づきました。(車内温度は50度近いのに!)
2008年以降、夏はずっと海外で過ごしていた私にとっては衝撃的な感覚でした。クールスーツを着用していても車内は非常に暑く、とても「涼しい」とは思えませんでした。
そんな中で迎えた5時間耐久レース。当初はこの暑さもあって荒れた展開になると予想していましたが、FCY(フルコースイエロー)からのSC(セーフティーカー)が1回入ったのみで、結果的には今シーズンでもっとも平和なレースになりました。
この展開は、すべてのドライバーが高い安全意識を持ち、相手をリスペクトしながらレースを展開していたからこそ。そして、過酷なコンディションの中で現場を支えてくださったオフィシャルの皆さんの尽力にも心から感謝しています。
前戦の菅生ではST-4クラスがお休みだったため、私は現地にいませんでしたが、複数回FCYが導入される荒れた展開だったと聞いています。その影響もあり、今回のオートポリスでは多くの関係者が「スーパー耐久は今後どうなっていくのか」と不安を口にしていたのが印象的でした。
サーキットで走ること、そしてレースで競い合うことは本当に楽しいことですが、それは何より「互いへのリスペクトと安全」があってこそ成立するもの。今回のレースでも悔しい思いをしたチームはあったと思いますが、大きなアクシデントなく5時間をしっかり走り切れたことは、すべてのチームにとって非常に意義のあるものになったのではないかと感じています。
次戦の第6戦・岡山ラウンド(10月25〜26日開催)は、ST-4クラスがエントリーお休みのため、私たち18号車はお休みとなります。したがって、次に出走するのは今シーズンの最終戦、富士スピードウェイ(11月15〜16日)です。
昨年の富士は大荒れで、4時間の耐久レースが実質2時間程度で終わるという大波乱の最終戦となりました。今年こそは、思いきり走って、笑顔で2025年シーズンを最高の形で締めくくれたらと思っています。次回も応援どうぞよろしくお願いいたします。
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