5時間耐久レース 決勝(11:00〜)
グリッドウオーク
今回のレースではスタートドライバーを務めさせていただくことになり、グリッド上では884号車の影山選手(サクセスウェイト60kg!)、60号車の塩谷選手、大原選手といった錚々たるメンバーに、師匠である武夫さんとご挨拶させていただきました。
影山選手は私が30年以上も前からそのご活躍を拝見してきた、まさに日本を代表するトップドライバー。お姿を目にするだけで自然と背筋が伸び、身が引き締まる思いです。60号車の大原選手も、チームのエースとして非常に速いドライバーと伺っています。“なんとか彼らの背中が見える位置で走行を続けたい──”そんな想いを胸に、決勝スタートに臨みました。



決勝レーススタート!
7月27日午前11:00。ローリングスタートと共に決勝の火蓋が切って落とされました。60号車に3コーナーまでに抜かれることは事前の想定通りだったため、無理せず譲ることを判断。その後に884号車と60号車の激しいバトルが始まり、こちらのペースが良かったこともあり、結果的に2台に追いつく形になりました。
884号車をドライブする影山選手の走りは、まさに「レジェンド」。ウェイトハンデを背負いながらもしっかりした60号車への的確なブロックを見ていると、自分がこのハイレベルな2台の争いに飛び込んでしまうとタイヤを無駄に浪費させたり、思わぬミスをしてしまうリスクがあると判断し、タイミングを見て時にはアクセルを抜きつつ、あえて距離を保ちながらペースをコントロールし、「隙あらば……」を狙うことにしました。

そして何よりこのバトルは本当に見応えがあり、“これがトップドライバーの戦いか”と圧倒されつつ、多くを学ばせていただきました。まさに特等席です。加えて自分にとってはタイヤが良い状態での初めてのスティントだったため、どれくらいのペースで走れるかについては全くの未知数です。監督から「周囲と同じペースで走れているので、そのまま安定して走行してください」と無線が入り、問題のないことを確認。またこちらからは、「前の2台に無理して仕掛けると、大変なことになりそうだから、しっかり後ろにつけて離されないことを優先したい」と返答し、しばらくは距離を保ちながら、先輩方の走りを学ぶ時間となりました。
とはいえ、ブレーキングや立ち上がりで思わず接近しすぎそうになる場面もあり、余裕を持ってペースを調整する判断が求められました。攻めたい気持ちを抑えつつ、冷静に状況を見極めながら走ることで、アベレージラップは2分10〜12秒を維持。自分の可能性と課題の輪郭が、少しずつ見えてきます。

その間にも、ST-Xクラスや他の上位クラスの車両にどんどんパスされますが、常に視界内に884号車と60号車を捉えながら周回を重ねました。この場面で改めて感じたのは、「自分がまだバトル慣れしていない」という事実と、そして「多クラス混走における立ち回りの難しさと、それに必要なスキル」でした。
そういった中、後方スタートした37号車が非常に速いペースで追い上げてきたのですが、まだレースは4時間以上残っているため無理にバトルせず、こちらが譲る形で前に出てもらいます。そしてしばらくすると「ST-5クラスのトップグループに追いつきそうなので、ここでドライバーチェンジをしよう」との指示があり、45分弱を走行しクラス7位で武夫さんにバトンタッチ、オートポリスの私の初レースを終えました。

私から引き継いだ武夫さんは安定したペースで約1時間のスティントをクリアし、その後伊藤選手に交代。伊藤選手はST-4クラスの中でも上位のペースで約1時間半を走行し、最終スティントを藤原選手が担当。最終的に132周を走破し、16:00にクラス5位でチェッカーを受けました。