全日本選手権など、カートのビッグレースが毎年開催されるSUGO国際西コース。2024年2月に路面が全面再舗装され、レコードタイムの更新期待が高まっている。今回はその国際西コースの攻略方法をご紹介する。走り方を教えてくれたのは、全日本カート選手権などで名だたるレーサーたちと勝負を繰り広げてきた池田有杜氏。SUGOスタッフでもある池田氏は、国際西コースの縁石の凹凸ひとつひとつまで知り尽くしている。
コース全体を通してのアドバイス
SUGO国際西コースはコース幅が広く、レンタルカートを扱うサーキットとしては最もハイスピードな部類に入る。各コーナー攻略の前に、コース全体を通してタイムアップのために意識すべきポイントを教えてもらった。
ブラインドコーナーは姿勢づくりが大切
SUGO国際西コースは、コーナーへの進入時点で出口が見えないブラインドコーナーが多い。出口が見えていれば、進入前に「あそこからアクセルを踏もう」とコーナーを組み立てやすい。だがブラインドコーナーでは、無計画に突入するとアクセルを踏むタイミングを見失ってしまう。
池田氏はブラインドコーナーの対策として「進入の段階でマシンの姿勢を作ってあげることが大切」と教えてくれた。

コースを広く使ってボトムスピードを稼ぐ
SUGO国際西コースは全域にわたって9m以上の幅員があり、走行位置がわからなくなりやすい。「コース幅全体をV字ではなく、U字に使うことでコーナーでの速度を稼いでください」。SUGO国際西コースはカートコースとしては高低差が激しく、上り下りでスピードロスを起こさないためにボトムスピードの捻出が重要だ。
また、アクセルの立ち上げも早ければいいというわけではない。「アクセルを踏むのが早すぎると行きたくないところに進んでしまい、ハンドルを切り直す必要があったりします。最小限の舵角と適切なアクセルタイミングを掴むと速く走れます」。
それでは具体的なコーナーごとのラインと走り方を見ていこう。記事内のマシンはレンタル用のTIAシャシーにヤマハ製MZエンジンを搭載したパッケージングだ。SUGO国際西コースには他にもレンタルカートのバリエーションがある。フルラップの走行映像は記事下部にあるので、最後にぜひご覧いただきたい。


1コーナー~3コーナー
1~3コーナーは全開だ。


1コーナーにはホームストレートの外側から飛び込み、左のフロントタイヤを少しだけ縁石に乗せる。1コーナー脱出後、レンタルカートの場合は2コーナーまでの間にある短いストレートでコースいっぱいまで広がらず、中間あたりのラインを通ろう。


2コーナーでは縁石に乗らず、少しだけかすめるように走る。3コーナーも縁石には乗らない。「3コーナーの縁石は背が高くバランスを崩しやすいので、乗らないほうが絶対に速いです」。
4コーナー~6コーナー


最初のブレーキングポイントである4コーナーでは、ブレーキングによってアウト側の右タイヤに荷重をかけることを意識しよう。レンタルカートの場合、ブレーキングの強度はマシンの向きを変えるきっかけづくりだ。


ブレーキングしてハンドルを切ったら、内側の縁石をかすめ、アウト側でコース幅を目いっぱい使って脱出速度を稼ごう。4コーナー脱出後、5コーナーまではコースで最も勾配が急な上りになっている。ここでボトムスピード(最低速度)を高められると、全体のタイムがグッと向上する。
「ブレーキングがうまくいかない場合は、少し手前からブレーキングして、姿勢が乱れないことを優先すると速く走れます」。


レンタルカートなら5、6コーナーは全開で通過できる。5コーナーのクリップには少し奥でつくようにし、6コーナーまでのストレートスピードを稼ごう。「6コーナーでは、最短距離を狙う場合は縁石を使ってもいいと思います」。
7コーナー


2つ目のブレーキングポイントである7コーナーは、バックストレートエンドにある。強く、短いブレーキングでマシンの向きを変えよう。7コーナーもイン側の縁石はかすめる程度にしよう。「イン側の縁石へ完全に乗ってしまうと、アウト側へはみ出しやすくなります。反対にアウト側は乗っても大丈夫です」。



