行動力を武器に実車レースへ挑戦
筑波サーキットにやってきた佐々木選手は、ELEV Racing Dream代表の前田大道氏に「どうすればレースに出られますか?」と聞いた。これはただの質問ではなく、ここでチャンスを掴めなければレース活動自体を諦めるつもりだっという。それに対する答えは「それなら実車テストを受けてみますか?」道が開けた。
「とりあえず合格です」前田氏の太鼓判を獲得し、翌月には同チームが出場しているロードスター・パーティレース車両でのテストも受けた。「初めての割にまあまあ乗れていた」という手ごたえに加え、前田氏からは「合格です。さっそく来年の東日本シリーズに出てみましょうか」と、公認レースへの参戦を勧められた。佐々木選手は二つ返事で参戦を決めたが、まだ資金の目途は全く立っていなかった。
「なんとかして消耗品と練習資金の200万円を集めました。愛車のシルビアを売り払い、企画書を作って協賛を募って回りました。ドリフト時代から付き合いのある地元の方々にも大変お世話になり、今でも感謝しています」

2024年ロードスター・パーティレースは、全4戦中2勝でシーズンを終えた。2勝は後半の2連勝。前半戦はセットアップや走り方で苦しんだが、後半には改善が進み、結果がついてきたと語る。
一方でSIMとの違いに悩まされる場面も多かった。実車は走るだけでも費用がかかり、1回の走行枠は20分×2本など。限られた時間で課題を明確にし、濃密な練習をする必要がある。1本目の走行であらかじめ決めていた課題を実行、2本目に修正点を試すというスタイルを徹底した。
現場では他チームにも積極的に話しかけ、情報を集めては自分のクルマで試した。内容によっては深く教えてもらえないこともあったが、「結果を出して警戒される前に聞き出してしまおう」と恥は捨てた。佐々木選手は、この試行錯誤がなければ、後半の結果にはつながらなかったと振り返る。
「結果が出始めると、自分のイメージと現実が一致したことで、自信が湧いてきました。成功だけでなく、うまくいかなかったことからも多くを学べたシーズンでした」
2025年:CABANA Racingで全国転戦へ
2024年シーズンが終わった後のキャリアは決まっていなかった。そこで目に留まったのが2025年シーズンに向けてレースチーム、「CABANA Racing」が開催したオーディションだ。書類選考を通過し、富士スピードウェイでの実技テストでは、初めての富士スピードウェイで30分間の走行ながら、テスト参加者4人中最速タイムを記録して合格。面接も通過し、連覇を狙う名門チームのドライバーに抜擢された。
「現在は連覇がかかるチームの開幕戦を終えたところです。実力上位のドライバーたちに食らいつき、経験を積んで早期に結果を出すことを目指しています。86/BRZ Cupプロクラスに出場しているドライバーも参戦しているため、彼らを素晴らしい目標として追いかけたいと考えています」


2025年現在は東京ヴェルディのe-スポーツチームにも所属するなど、ドリフトからシミュレーターへ、そしてリアルへのレースへと羽ばたいた佐々木選手は、活動の場を広げ続けている。本格的にシミュレーターで上を目指したいと感じたなら、佐々木選手に直接教えてもらうこともできる。ぜひGoTakeのインストラクターページを見てみてほしい。