ROTAX MAXの特徴・走らせ方
ROTAX MAXはハイパワーなエンジンにハイグリップタイヤ、前後ブレーキを持ち、強烈な加減速と旋回能力が特徴だ。走らせ方も入門用レーシングカートのKTとは異なる。
繊細なアクセルワークが必要
「KTやX30はキャブレターがバタフライ式、ROTAX MAXはシャッター式です。違いはアクセル時のレスポンス。回転が落ちているコーナリング時にいきなりアクセルを全開にしても、シャッター式は思いのほか加速しません」。
バタフライ式はエンジンに送るガソリンの流量を急激に変動させられるが、シャッター式のROTAX MAXは急激に流量を増加させることを苦手とする。
「エンジンの音を聞きながら繊細にアクセルを踏み込んでいきましょう。レースでバトルに集中しているとアクセルを雑に踏み込んでしまい、加速でライバルに離されることが多くあります」。
タイヤを「潰す」ブレーキング
ROTAX MAXと一緒に使われるMojoタイヤは、上から見るとX30で使われるDUNLOPタイヤと比べて丸い形状をしている。つまり通常時の接地面積が少なく、グリップ力を引き出すには荷重移動でタイヤを「潰し」て扁平させる必要がある。
「前後両輪に付いたブレーキの制動力で荷重をフロントにかけてタイヤを潰しましょう。ハンドリングもタイヤに乗った荷重を活かすように切り込む必要があります。
一方でハイグリップタイヤは短命。無理を続ければレース中にグリップ力を使い切ってしまうので、タイヤマネジメントが必要です」。
決勝までタイヤをもたせる
予選から決勝を通して使用できるタイヤは1セット。つまり、決勝のフィニッシュと同時にグリップを使い切るのが理想だ。KTは軽量・低パワーなため最初から最後まで全開走行できるが、ROTAX MAXのパワーと旋回力は容赦なくタイヤを削り取っていく。
「予選では他のクラス以上に1アタックでタイムを狙います。アタックを続ければエンジンもパワーが出なくなりますし、何よりタイヤの寿命は可能な限り決勝まで残しておきたいです。
決勝では途中で摩耗と熱ダレによりグリップ力の低下が始まります。そのため、グリップが落ちてきたらそれを把握して走り方を変える必要があります」。
ハイレベルなROTAX MAXで世界へ!
ROTAX MAXは体力と技術を要求する上級者向けのカートだ。一方で参入障壁は同レベル帯にあるX30と比べて低め。フェスティカ瑞浪サーキットやオートパラダイス御殿場を中心に練習環境も豊富なため、努力が結果に結びつきやすい。
自分はもっと速く走れるのではないか、世界で戦う夢をもう一度追ってみたい…という方はROTAX MAXを検討してみるといいだろう。近所のサーキットがGRAND FINALSへの第一歩になるかもしれない。