海外のレンタルカート事情
結川 日本と本場の欧州ではどのような文化の違いがあるのでしょうか?
三上 まず生活への密着度が違います。複合施設の中にレンタルカートがあることも多く、カラオケやボウリング場の敷地内にレンタルカート場が併設されていることも。子どもの誕生日パーティーでゲームセンターとレンタルカート、みたいな感じですね。
新郎新婦が結婚式前夜に遊びまくる場所としても人気で、女性が20人くらいでカートレースをして遊んでいる風景も多々見受けられます。


川福 手軽さも文化の違いですよね。日本だと乗るまでに講習やライセンスなどが必要な場合も多いです。それが海外では、簡単な誓約書を書いたらいきなりレーシングカート用のエンジンを積んだマシンに乗れたので「これに素人が乗って大丈夫なの!?」と驚きました。自己責任の浸透を感じます。
三上 レースはイコールコンディションが強く意識されています。私がレースに出たとき、周りの人は平均体重が85kgくらいだったので、50kgの私は30kgもウェイトを積む必要がありました。耐久レースだったのでドライバー交代のたびに30kgのウェイトを付けたり外したりと大変でした(笑)。体重が軽ければ有利というわけでもないのが面白いですね。
結川 文化が大きく異なるのですね。海外のサーキットは日本とは違うのでしょうか?
川福 僕はレッドブルの世界大会でオーストリアに行ったときに驚きました。日本では考えられないスケールのコースや、屋内と屋外の複合型コースもあるなどバリエーションが豊富です。ひとつの施設に複数のサーキットが配置されていたりと飽きないですね。
三上 たとえばイギリスのマンチェスターにあるサーキットは高低差が大きくてコーナーも多め。全長も1km以上あって、感覚としては昔の仙台ハイランドのようでした。そこで開催された24時間耐久レースはとても楽しかったです。
川福さんのように日本である程度実力を積んだら、海外旅行をするときに現地のレースに出てみると面白いと思います。

誰でも簡単に始められるレンタルカートは、初心者からプロまでのドライバーが同じ条件で腕を競えるモータースポーツ空間だ。同じマシンを自分より速く走らせる人の後ろを追いかけると、川福選手が語っている「小さな違いの積み重ね」が生み出す大きな違いに驚くだろう。そして何より、手軽に仲間とレースを楽しめるレンタルカートで、最高の非日常を味わっていただきたい。
