「本気で勝ちに行くチーム」で優勝を目指す
「まだまだ未熟なこともたくさんありますが、2024年のシーズン途中からは、チーム全体で勝利を狙うモチベーションが上がってきています」。
きっかけは第2戦の富士24時間の予選で、名門チームに勝てるようになってきたことだという。「戦えるぞ」チームにスイッチが入り、コンマ1秒を削り取るために、それまで良しとしていたロスを許容しないようになった。第4戦もてぎでは14台出走のST-5クラスで5位入賞を飾るなど、結果もついてくるようになった。
「ドライバー交代をするときに最適なスイッチ類の配置、ブッシュのわずかなガタ取りなど、あらゆる面で予選のコンマ1秒を削るセッティングを進めています。今年の冬はあらゆるセッティングが要望通りになるように仕上げていくつもりです」。
勝利に向けてまい進するチームと大島選手だが、さらなるステップアップよりも、チームで強くなり続けることを目指しているという。
「今のチームは北海道内のメンバーで構成されています。レースに詳しい人とお手伝いの人がいるのですが、このメンバーが熟成されれば、もっとタイムを削れるはずです。同じメンバーで長く続ける中で、強いチームとして認知されたいですね」。
好きこそものの上手なれ
「何をやるにも好きで好きでどうしようもない人には敵わない人生でした。だから自分もそうなりたいんです。好きならちょっとしたことでは挫折しません。そして世の中には努力を努力だと思っていないやつがいます。
私はレースが楽しくてやめられない。練習で辛いとも感じない。何百周走っても、また明日最初から楽しく始められるんです」。
そう語る大島選手は、今日もサーキットに繰り出してタイムを削り取っている。その時間はどれだけ大変でも、楽しくて仕方ないはずだ。しかし、そんな大島選手は34歳までレースに興味すらなかった。6年後、彼は数万人の歓声を受けながら富士スピードウェイを駆け抜けた。
誰もが大島選手のようにのめり込めるわけではないだろう。しかしここに一人、楽しさと「好き」が高じて国内最高峰の耐久レースに来た男がいる。レンタルカートでも構わない。全開で走る喜びをぜひあなたにも感じていただきたい。