「モータースポーツ」と聞くと、多くの人は「レースで1位を争う真剣勝負の世界」をイメージするかもしれない。けれど実際には、速さだけでなく正確な操作や安定した走行、さらには観客を楽しませる“魅せる走り”を評価される競技もある。そして必ずしも高価なマシンや特別なライセンスが必要というわけではなく、気軽に体験できるカテゴリーもたくさん存在している。
この記事では、これからモータースポーツを始めたいと考えている人に向けて、代表的な競技の種類と特徴を紹介していく。まずは自分に合ったカテゴリーを見つけることが、モータースポーツを長く楽しむための第一歩になるだろう。
結論|まずはレンタルカートやオートテストで気軽に体験してみよう
最初の一歩目におすすめなのは「レンタルカート」「オートテスト」「広場トレーニング」といった、特別な準備をしなくても始められるカテゴリーだ。
経験を積んでいく中で、自分が「速さを追求したいのか」「正確さを大事にしたいのか」「迫力ある走りを楽しみたいのか」といった方向性が自然に見えてくる。目的に合ったカテゴリーを選ぶことは、長くモータースポーツを続けるために大事になってくる。では、カテゴリー毎の特徴を順番に見ていこう。
レンタルカート|最初の一歩にぴったり

- 入門難易度:★☆☆
- ライセンス:不要
- 最高速度の目安:60km/h以下
全国のサーキットやカート場で気軽に体験できるのがレンタルカートだ。装備を貸し出してくれる施設も多く、初めてでも安心して挑戦できる。小さな排気量でも体感速度は十分に速く、ブレーキングやコーナリングの基礎を自然と学べるのも魅力。友人と一緒に走れば、まるでゲームのような感覚で楽しめる。モータースポーツの入口としては最適なカテゴリーだ。
レーシングカート|本格的なレースの入口

- 入門難易度:★★☆
- ライセンス:カートライセンス
- 最高速度の目安:80km/h前後
レンタルカートを経験した後、さらにステップアップしたい人におすすめなのがレーシングカートだ。プロを目指すドライバーの登竜門であり、本格的に技術を磨くことができる。自分でマシンを購入して整備する必要はあるが、その過程で車両に対する理解も深まるし、走行技術の向上にも直結する。コストはかかるものの、しっかりとスキルを積み重ねたい人にはぴったりの選択肢だ。
広場トレーニング|安心して基礎を学べる場
- 入門難易度:★☆☆
- ライセンス:不要
- 最高速度の目安:80km/h前後
広いスペースにパイロンを並べて行うのが広場トレーニングだ。スラロームや急制動といった公道ではなかなか試せない操作を練習できる。失敗しても大きなリスクが少ないので、安心して挑戦できるのが大きなポイント。運転に慣れたい人や安全運転を意識したい人に特におすすめだ。
ミニサーキット走行会|繰り返し練習できる
- 入門難易度:★★☆
- ライセンス:不要
- 最高速度の目安:100km/h超
1周が短いミニサーキットは、タイヤや燃料の消費が少なく、比較的低コストで走れるのが魅力。同じコーナーを何度も練習できるため、技術習得がスピーディーだ。コンパクトカーや軽自動車でも走行できるので、マイカーで参加したい人にも合っている。
サーキット走行会|非日常を味わうスピード体験
- 入門難易度:★★☆
- ライセンス:不要
- 最高速度の目安:120km/h超
フルサイズサーキットを走る走行会は、公道では絶対に味わえないスピードを体験できる。直線では200km/hに迫ることもあり、クルマの性能を存分に感じられる場だ。その分リスクも大きいため、安全装備の準備は欠かせない。スポーツカーを所有している人が最初に挑戦するケースも多い。
オートテスト|誰でも参加しやすいJAF公認競技
- 入門難易度:★☆☆
- ライセンス:不要
- 最高速度の目安:50km/h以下
マイカーでそのまま参加できるのがオートテストだ。低速で正確な操作を行うことが求められ、速さよりも精度を競う。ライセンスやヘルメットが不要なため、初めて公式競技に触れる人にとって理想的な入口となる。
アベレージラリー|時間を意識して走る競技
- 入門難易度:★★☆
- ライセンス:不要
- 最高速度の目安:60km/h以下
- 条件:ナビゲーター必須(2人で参加)
指定された平均速度を守って走るのがアベレージラリーだ。速さよりも正確さが問われる競技で、ドライバーとナビゲーターが協力しながら挑戦する。チームワークを学べる入門ラリーとなっている。


