グローバルな人気を誇るレースゲーム「グランツーリスモ」シリーズの世界大会「グランツーリスモワールドシリーズ」で通算5回の優勝を飾り、eモータースポーツ界で高い実力と人気を誇る宮園拓真選手。昨年2025年も同大会で総合2位という成績を収めた。また、実車レースにおいてもロードスター・パーティレースIIIやSuper FJで経験を積み、昨年はTOYO TIREの社員ドライバーとしてニュルブルクリンク耐久シリーズに参戦を果たす。八面六臂の好調な活躍ぶりと映るが、本人は2025年を「非常に課題の残る1年でした」と振り返る。ヴァーチャルとリアルの双方で活動する宮園選手の課題とは何か。
ニュルブルクリンクで得た経験
現在TOYO TIRE株式会社の消費財商品企画部に勤務する宮園選手は2025年、同社が参戦しているニュルブルクリンク耐久シリーズ(NLS)に3戦、社員ドライバーとして出場した。ニュルブルクリンクは世界でもっとも過酷ともいわれるサーキットだ。VT2-RWDクラスに参戦、完走を果たし確かな一歩を刻んだが、経験の少なさからクラッシュに繋がることもあった。
クラッシュのあとは、たくさんのアドバイスをもらった。そして自身でもドライビングを振り返り、課題があることに気づいた。
「僕のドライビングは、ブレーキをギリギリまで頑張って攻めるような走り。ですがニュルはコース幅が狭くエスケープもほぼないので、ちょっとでもはみ出ると即クラッシュです。だからブレーキは早めにして、立ち上がり重視の走りに変えていく必要があると分かりました」
「グランツーリスモ7」で練習を積み重ね、ブレーキング技術の改善を目指していくという。

社員ドライバーとしての矜持
一番の反省点は、社員ドライバーという立場への心構えだ。
「昨年はたくさんの方々にご協力いただき、ファンの皆様の応援のおかげもあって、目標である社員ドライバー活動をスタートできました」
社員ドライバーとしての宮園選手に求められていたのは、まず無事に完走して今後に向けた経験を積むこと。そして積極的に発信をしてTOYO TIREの魅力をPRしていくことだ。重要なポイントである一方、課題も見つかったという。
「振り返ると、レースで結果を出すことに集中しすぎていたと思います。結果も大事ですが、社員ドライバーとしての活動に全力で取り組み、その過程や結果をSNSで発信して広めることも重要。それらを通じて、自社の魅力をより多くの皆様に知ってもらえるよう頑張ります」



2026年ニュルブルクリンクへの決意
今年2026年、宮園選手はNLSとニュル24時間耐久レースの計11戦に全戦参戦を予定している。
昨年の反省を踏まえ、まずは社員ドライバーとしてしっかりとレースを走り抜き、活動をSNSやメディア発信で広めていくことが目標となる。ニュルブルクリンクを通じて、TOYO TIREの活動をより多くの人々に知ってもらい、ブランド認知度を高める取り組みだ。
「TOYO TIREっていいなとたくさんの方に知ってほしい。それから、TOYO TIREに入社したいと若い方に思ってもらえるようにもしたいです」
またチームでは、レースでコンビを組むドライバーのサポートにも意欲的だ。
「僕はチームの皆さんと知り合って長いですから、チームとドライバーのコミュニケーションがより円滑になるようサポートしていきたい。また、チームとして無事に走り切り、より良い結果を出せるように臨みたいです。例えば、コースのどこが危ないのかを『グランツーリスモ7』で学習し合ったり。僕自身にとっても視野が広がるなど、より成長できる機会だととらえています。
そしてレースでの目標は、チームとして全戦でトラブルなく完走すること。その上で言えば、クラス内で安定してファステストをとれるドライバーを目指したいです」



さらなるステップアップも目指す
体力面では、現在参戦しているクラスであれば問題はないが、トレーニングも怠らない。
「もっと速い車に乗ってステップアップしていきたいですし、現在のクラスにおいても、特に体幹を鍛えることで、より車両の動きを感じ取ることができると考えています。トレーナーさんにお願いし、オンラインでのトレーニングを行っています」
難易度が高くクラッシュも多いニュルブルクリンクでの活躍を目指し、さらなるステップアップにも挑む宮園選手。次のページでは、昨年のグランツーリスモ世界大会を振り返り、今年の覚悟を語る。


