前身のFJ1600から世代交代する形で2007年に登場したSuper FJは、入門用のフォーミュラカーとしてレーサーのステップアップを支えている。むき出しのタイヤにクイックな操縦性。フォーミュラカーはモータースポーツファンの憧れだが、乗るのは敷居が高すぎると思う方も多いだろう。そこで今回は、体験走行会などを開催している川福健太氏に意外と手軽な始め方を聞いた。
Super FJとは
Super FJは日本のフォーミュラカテゴリーにおいて、ミドルフォーミュラと言われるF4の下に位置付けられるジュニアフォーミュラ。1,500ccのNAエンジンは一見非力に見えるが、420kg前後という軽さによって、最高速は200km/hを超える。F1で活躍中の角田裕毅選手もSuper FJ日本一決定戦を制しており、現代のトップドライバーのほとんどが登竜門としているカテゴリーだ。
Super FJの概要と、乗り方について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧いただきたい。
Super FJの魅力
カートを卒業したレーサーの向かう先はSuper FJである場合が多い。とはいえステップアップを目指す若者だけに向けたマシンでもないのが魅力だ。
憧れのフォーミュラカー
最初の魅力はなんといっても、オープンホイールかつ低重心の軽量マシンを全開で走らせられる点だ。ドライバーの地上高はカートと大きく変わらない。時速60km/hのレンタルカートでも体感速度は100km/hを超えると言われているため、200km/hオーバーをたたき出すSuper FJの体感速度は300km/h級だ。
操作は市販のマニュアル車のようにHパターンの5速ミッションと3ペダルで行う。また、ステアリングの舵角も最大で180度ほど切るため、フォーミュラでありながらも市販車のような操作性を併せ持っている。
少し高めの車高が入門に最適
速度域や車体特性も入門者にとっては大きな魅力だ。他のフォーミュラと比べて速度が抑えられているため、極度な恐怖を覚えることは比較的少ない。また車高が高めに設定されており、コースアウトした際に砂利から復帰しやすいことが走行経験を積むことに寄与している。
Super FJの前進であるFJ1600は、地上高を限界まで落とせる一方、コースアウトすると復帰できなくなるケースが多い。トライアンドエラーを繰り返して上達したい初心者にとって、走行枠がワンミスで潰れてしまうのは大きな課題だった。その点Super FJはすぐにコース復帰できるので、「今回は突っ込みすぎたな」と思いながらすぐに次のチャレンジが可能になっている。


未来のトッププロと戦える
Super FJはシリーズ戦が各地のサーキットで開催されている。レースの主体は若手だが、混走でジェントルマンクラスもあるのが特徴だ。上昇志向の若武者だけでなく、純粋にレースを楽しみたいジェントルマンにも門戸が開かれているのだ。レギュラークラスとは別に表彰されるため、同世代の仲間で競い合う楽しみもあるだろう。腕試しにも最適だ。
最近は幼少期からカートに乗っていたドライバーだけでなく、シミュレーター出身の人も増えているという。今からカートでマイレージを稼ぐのが厳しい場合は、シミュレーターから直接Super FJに移行するのも手だろう。
