モータースポーツを始めるとき、多くの人が最初に悩むのが「どんなヘルメットを選べばいいのか」という点だろう。サーキットや競技によって求められる規格は異なり、合わないものを用意してしまうと出場できないケースもある。しかも、ヘルメットは頭を守る大切な安全装備。だからこそ、規格をきちんと理解して準備することがとても大切になる。
この記事では、代表的なヘルメット規格(SG・JIS・SNELL SA・FIA)を取り上げ、それぞれの規格でどのカテゴリーに参加できるのかを整理して紹介する。これからモータースポーツを始めたい人が迷わず準備を進められるような指針になればと思う。
結論|競技ごとに必要なヘルメット規格は違う
まずは結論から整理してみよう。
- レンタルカートや走行会など、競技に出ない場合 → SG規格でも問題なし
- Bライセンス競技に出る場合 → JIS規格、またはそれ以上の規格が必須
- サーキットレースなどAライセンス競技に挑戦する場合 → FIA規格のヘルメットとHANSが必須
つまり、「どのカテゴリーに参加するか」が基準となる。将来のステップアップも見据えて選んでおくのが安心だ。
ヘルメット規格ごとの特徴と違い
SG規格|レンタルカートや練習にちょうどいい安全性


SG規格は、日本で販売されているヘルメットの安全基準で、製品安全協会が定めているもの。衝撃を吸収する力やあごひもの強度などがチェックされ、バイクでの公道走行にも必要な条件をクリアしている。
基準としては少し緩めではあるが、速度の低いレンタルカートや広場でのトレーニングなら十分な性能を備えている。
JIS規格|Bライセンス競技で必要となる基準


JIS規格は「日本産業規格」に基づいた安全基準で、SG規格よりも厳しい内容になっている。バイク用フルフェイスとして広く流通しており、Bライセンス競技にも使用できる。
ジムカーナ、ダートトライアル、サーキットトライアルといった公式競技に出場するなら、この規格以上が必須になる。
SNELL SA規格|四輪競技のために作られた国際基準

SNELL SA規格は、自動車競技用に定められた国際基準。燃えにくい素材や、ロールケージとの衝突を想定した強度など、四輪ならではの要件を満たしている。
Bライセンス競技で使えるが、サーキットレースのようなAライセンス競技ではFIA規格が必要になるため、サーキットレース出場を見据える人は注意が必要だ。
FIA規格|本格的なレースで必須となる最高基準


FIA規格は、国際自動車連盟が定めた最高水準の規格。耐衝撃性や耐火性、HANSへの対応など厳しい条件をクリアしており、世界中の公式競技で使用できる。
「8859-2015」や「8860-2018」など複数の規格が存在し、特にサーキットレースや国際競技では必須となる。本格的に競技を続けるつもりなら、FIA規格を選んでおくのが一番安心できる。
HANS|首と頭を守るための必須デバイス


HANSはFIAが定めた首・頭部の保護デバイス。事故の際に首へかかる大きな衝撃を和らげ、致命傷を防ぐ役割を果たす。サーキットレースやD1グランプリではヘルメットとセットで義務化されているほど重要な装備だ。


