日本では数多くの参加型モータースポーツが開催されている。JAF公認の参加型レースに的を絞っても凄まじい数がある。その中にはレースに詳しい人にも知られていないローカルカテゴリーもあることだろう。
この記事では「富士スピードウェイ」で独自に開催されているローカルカテゴリーをご紹介する。これからレースデビューを考えている人や、出場カテゴリーの変更を考えている人は参考にしてもらいたい。
富士スピードウェイのローカルレース紹介
静岡県小山町にある国際規格の四輪サーキット。東京都心からも2時間でアクセス可能。他のサーキットでは類を見ないほど様々なツーリングカーのレースが行われている。
ROADSTER CUP
初代から現行型までのマツダロードスターのナンバー有り車両を用いたレース。排気量ごとに細かくクラス分けがされていて、クラスごとに改造範囲の規定が異なる。スポーツランドSUGOのJMRC東北ロードスターカップが共通レギュレーションとなっている。
クラス | 出場車種 | 自動車登録番号標 | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|---|---|
1.6 | NB6CE NA6CE | ナンバー有り | 4回/年 | 2~3台 |
1.8 | NB8CE | ナンバー有り | 4回/年 | 7~10台 |
1.5オープン | ND5RC | ナンバー有り | 4回/年 | 6~9台 |
1.5チャレンジ | ND5RC | ナンバー有り | 4回/年 | 16~20台 |
2.0 | NC | ナンバー有り | 3回/年 | 1~2台 |
Demio Race
マツダデミオ・MAZDA2のナンバー有り車両を用いたレース
主な出場車種 | 自動車登録番号標 | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|---|
マツダデミオ (DE5FS,DJ5FS型) | ナンバー有り | 1回/年 | 4台 |
FCR-Vitz
旧Netz Cup Vitz Raceで使用されていた3代目ヴィッツを用いたレース。十勝スピードウェイのN0-Vits、筑波サーキットのVits-Race、岡山国際サーキットのNゼロVitz、オートポリスのBoon!×2 street 1500(Vitzクラス)が類似レギュレーションとなっている。
出場車種 | 自動車登録番号標 | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|---|
トヨタヴィッツ (NCP131型) | ナンバー有り | 3回/年 | 14~17台 |
FCR-86BRZ(Ⅲ)
旧TGR 86/BRZ Raceで使用されていた車両を用いたレース。十勝スピードウェイのTS-86/BRZ、岡山国際サーキットのNゼロ-86(クラス1)、オートポリスのAP86/BRZ(クラス3)が類似レギュレーションとなっている。
出場車種 | 自動車登録番号標 | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|---|
トヨタ86(ZN6型) スバルBRZ(ZC6型) | ナンバー有り | 3回/年 | 9~15台 |
N1000
JAF国内競技車両規則 第3章, 第4章, 第5章”量産ツーリングカー(N1)”に合致した、気筒容積660ccを超え1000cc以下のNAエンジン搭載の車両を用いたレース。十勝スピードウェイのN1-1000が類似のレギュレーションとなっている。
出場車種 | 自動車登録番号標 | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|---|
トヨタヴィッツ (SCP10型) | ナンバー無し | 3回/年 | 2台 |
N1400
JAF国内競技車両規則 第3章, 第4章, 第5章”量産ツーリングカー(N1)”に合致した、気筒容積1000ccを超え1400cc以下のNAレシプロエンジン搭載の車両を用いたレース。筑波サーキットのTTC1400が類似のレギュレーションとなっている。
出場車種 | 自動車登録番号標 | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|---|
トヨタスターレット (EP82型) | ナンバー無し | 3回/年 | 6~7台 |
N1500
JAF国内競技車両規則 第3章, 第4章, 第5章”量産ツーリングカー(N1)”に合致した、2代目ヴィッツ、DE5FS型デミオを用いたレース。
出場車種 | 自動車登録番号標 | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|---|
トヨタヴィッツ (NCP91型) | ナンバー無し | 2回/年 | 1~5台 |
AE111
JAF国内競技車両規則 第3章, 第4章, 第5章”量産ツーリングカー(N1)”に合致した、AE111型レビン・トレノを用いたレース。
出場車種 | 自動車登録番号標 | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|---|
トヨタレビン・トレノ (AE111型) | ナンバー無し | 2回/年 | 7~10台 |
ネオヒストリックⅡ
JAF国内競技車両規則 第3章, 第4章, 第5章”量産ツーリングカー(N1)”に合致した車両を用いたレース。
主な出場車種 | 自動車登録番号標 | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|---|
トヨタレビン・トレノ(AE86型) トヨタMR2 (SW20型) ニッサンシルビア | ナンバー無し | 2回/年 | 10台 |
FCR-86BRZ(Ⅰ,Ⅱ)/Fuji 86BRZ Challenge Cup
トヨタ86, トヨタGR86, スバルBRZを用いたレース。ナンバーの有り無し、チューニング範囲によって細かくクラス分けがされている。
- FCR-86BRZ(Ⅰ):JAF国内競技車両規則 第3章, 第4章, 第5章”量産ツーリングカー(N1)”に合致したトヨタGR86(ZN8), スバルBRZ(ZD8)
- FCR-86BRZ(Ⅱ):JAF国内競技車両規則 第3章, 第4章, 第5章”量産ツーリングカー(N1)”に合致したトヨタ86(ZN6), スバルBRZ(ZC6)
- Fuji 86BRZ Challenge Cup:JAF国内競技車両規則第3編第7章スピードB車両規定に合致したトヨタGR86(ZN8), トヨタ86(ZN6), スバルBRZ(ZC6, ZD8)。改造範囲により4つにクラス分けがされる。
クラス | 出場車種 | 自動車登録番号標 | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|---|---|
FCR-86BRZ(Ⅰ) | トヨタGR86(ZN8型) スバルBRZ(ZD8型) | ナンバー無し | 4回/年 | 1台 |
FCR-86BRZ(Ⅱ) | トヨタ86(ZN6型) スバルBRZ(ZC6型) | ナンバー無し | 4回/年 | 3~7台 |
Fuji 86BRZ Challenge Cup | トヨタ86(ZN6型) トヨタGR86(ZN8型) スバルBRZ(ZC6, ZD8型) | ナンバー有り | 4回/年 | 12~17台 |
その他の開催カテゴリー
全国的に共通レギュレーションで開催されているレースとしては、VITAや自動車メーカー系ワンメイクレースを筆頭に多くの台数を集めている。他にも様々なカテゴリーが開催されていて、最も数多くのカテゴリーが開催されているサーキットだ。
カテゴリー名 | 開催数 | 出場台数 |
---|---|---|
FCR-VITA | 3回/年 | 33~41台 |
KYOJO CUP | 4回/年 | 21~23台 |
Inter Proto Series Gentleman Class | 4回/年 | 17~18台 |
N-ONE QWNER’S CUP | 2回/年 | 39~54台 |
TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cup | 3回/年 | 54~90台 |
TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup クラブマンシリーズ | 1回/年 | 34台 |
LOTUS CUP JAPAN | 1回/年 | 12台 |
Audi A1 Fun Cup | 3回/年 | 14台 |
BMW & MINI Racing | 1回/年 | 21台 |
TCR JAPAN Series | 1回(2レース)/年 | 9台 |
Porsche Sprint Challenge Japan | 2回(4レース)/年 | 17~19台 |
Porsche Carrera Cup Japan | 2回(4レース)/年 | 12台 |
Ferrari Challenge Trofeo Pirelli Japan | 2回/年 | 23~26台 |
JAFツーリングカー選手権 ロードスター・パーティレースⅢ ジャパンツアーシリーズ | 1回/年 | 33台 |
JAF筑波/富士スーパーFJ地方選手権 | 2回/年 | 10~20台 |
Fomula Beat地方選手権 | 1回/年 | 20台 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 | 1回(3レース)/年 | 12台 |
FIA-F4 | 2回(4レース)/年 | 46~47台 |
FORMULA REGIONAL | 2回(5レース)/年 | 9~11台 |
よくある疑問点を解説
改造はどの範囲まで可能なのか?
JAF公認レースは改造範囲が厳格に定められているため、カテゴリーごとに改造(変更できる)範囲は大きく異なってくる。そのため各カテゴリーごとに発行されているレギュレーションを穴が開くほど確認する必要がある。また同じ車種でもサーキットによって微妙にレギュレーションが異なる事があるので注意してほしい。
改造可能な範囲が広いレースも開催はされているが、これまで一般道や走行会でクルマの改造(チューニング)を楽しんできた人がJAF公認レースのレギュレーションを読むと、どのレースも改造可能な範囲の狭さに驚くことと思う。特に改造可能な範囲が広いレースを下記にピックアップしたので、クルマの改造を楽しみながらレースに出場したい人は参考にしてほしい。
改造可能な範囲の広いレース
カテゴリー名称 | 開催サーキット |
---|---|
Fuji 86BRZ Challenge Cup | 富士スピードウェイ |
ROADSTER CUP | 富士スピードウェイ |
ROADSTER CUP | スポーツランドSUGO |
AP86/BRZ (クラス2、クラス4) | オートポリス |
Boon×2 street 1500 (ロードスター・スイフトクラス) | オートポリス |
「スポーツランドSUGO」と「オートポリス」で開催されているレースの詳細は各々の記事を参考にしてもらいたい。
改造範囲の狭いシンプルなレースに出場したい人は・・・
改造の可否で頭を悩ませるのが面倒、もっと改造範囲が狭くてシンプルなレースに出場したい人は、「自動車メーカー系ワンメイクレース」がオススメ。改造範囲を絞ったシンプルなレースとなっている。是非、そちらの記事を参考にしてもらいたい。
この記事の中に出場したいレースが無い場合は・・・
この記事では「富士スピードウェイ」のローカルレースをご紹介したのだが、残念ながら“この中には出場したいレースが無い” そんな人もいることだろう。その場合は他で公開している”各サーキットごとのローカルレース”と”全国的に共通レギュレーションで開催されているレース”をまとめた記事も参考にしてもらいたい。
他のサーキットのローカルレース紹介記事リンク
- “十勝スピードウェイ”編
- “スポーツランドSUGO”編
- “モビリティリゾートもてぎ”編
- “筑波サーキット”編
- “富士スピードウェイ”編
- “鈴鹿サーキット”編
- “岡山国際サーキット”編
- “オートポリス”編
全国共通レギュレーションのローカルレース紹介記事リンク
- “自動車メーカー系ワンメイクレース”編
- “海外製レーシングカー”編
- “日本独自のレーシングカー”編
- “JAF/FIA選手権”編
それでも“出場したいレースが無い” 場合は、調べる範囲を広げて、耐久レースやスピード競技、JAF非公認のレースを探してみて欲しい。日本の参加型モータースポーツの裾野は広い!出場したいレースはきっと見つかるはずだ。