水谷明彦選手|EP82スターレット
スーパーカー世代の水谷選手は、クルマに憧れた多くの少年の一人だった。デビューのきっかけは近所にレース車両の製作やメンテナンスをしている「ガレージアネックス」を見つけたこと。堅実にレースをしているチームの姿勢に惹かれ、自身もEP82型スターレットを購入した。
以降5台にわたって買い替えながらもスターレット一筋でレースを続けている。デビュー当時の1997年頃はスターレットのワンメイクレースが盛況を呈していた時代。予選落ちも珍しくなかった。時代は変わったが、今でも同じEP82型スターレットを走らせ続けている理由を教えてもらった。
「スターレットは全長が短いのでピーキーな動きをして面白いですよ。FFなので、仕事をしないリアタイヤをどう操るかという難しさもあります。
でもスターレットは音が良くて、ガソリン臭さもたまらない。電子制御もなくて、クルマとの一体感があります。それにN1規定のマシンは改造できる範囲が広めなので、自分でクルマを速くする喜びがありますね」。
四半世紀以上富士を走る中で最も好きになったコーナーはコカ・コーラコーナー(Aコーナー)。「まだ攻略が難しいですね。取材される前にもちょうど話していたところだったんですよ」。
ネオヒストリックは現在、富士チャンピオンレースで年間2戦の開催になっている。「年2戦では物足りない。禁断症状が出てしまう」という水谷選手。2024年の目標は他レースへの参戦だ。
サーキットには家族4人で乗り込んでいた。「サーキットは楽しい」という娘たちと母が、父のコースインを見送った。