3月2日 公式テスト1日目
久々のスーパー耐久の舞台です。チームスタッフと挨拶を交わし、「またこの場所に戻ってきた」という安堵感と「また戦いが始まる」という緊張感の入り混じった、開幕間近特有の感慨に浸ります。ずっと回転数制限のある走行を続けてきたため、今日はどれだけのタイムが出せるのか?”2分12秒が出たら嬉しいな”と期待に胸を膨らませながら、走行の準備に取り掛かりました。


10時45分 Group 2占有走行
まずは、GoTakeインストラクターの伊藤慎之典選手(以下、伊藤くん)が走行を開始。2分12秒台を記録し、セットアップの調整が進められました。次に浅野武夫選手が5カ月ぶりのサーキット走行を行います。そんなに久しぶりで大丈夫なの!?と思いましたが、「忙しくてサーキットを走る時間がなかった」とのことで……それでもコースインと同時に安定した走りを見せるあたり、やはり鉄人、レジェンドの風格を感じました。
さて18号車の方というと、途中で少し車両トラブルが発生しましたが、大事には至らず走行を続行できました。


ピットウォーク
今回の公式テストでは、何となんと予想外にもピットウォークが実施されました。寒いこともあり来場者は少ないかと思いきや、多くのファンの皆さんが集まってくださり、会場は大いに賑わいました。販促品の準備が間に合わなかったのが残念でしたが、スーパー耐久の人気の高さを改めて実感しました。

13時15分 Group 1占有走行
伊藤くんがセットアップを進めましたが、思うように決まらず苦戦。その後、2年ぶりにスーパー耐久に参戦する藤原大暉選手(以下、藤原くん)が走行。いきなりの乗車でも、やはり速い!さすがの実力を見せつけてくれました。
マシンの方はというとセットが決まらない状況は続き、私はひたすら待ちぼうけの状態に……。


15時 Group2占有走行
午後3時となり、ようやく私の出番が回ってきました。今日はもう乗れないかもしれないと思っていた矢先、乗車OKの知らせはやっぱり嬉しいものです。完全にセットアップが決まらないままの走行となりましたが、明日の天気予報は大雨。ここでしっかりとドライコンディションでの走行をしておきたかったので、とてもありがたいです!さあ、張り切って隊列に並びコースイン!

勇躍コースに出たまでは良かったのですが、早速目の前に試練が訪れます。私がドライブする「ST-4クラス」のGR86よりもはるかに速い「ST-2クラス」をはじめとする、本来なら速い車両の群れの渋滞に追いついてしまったのです。シーズン中ならば目にもとまらぬスピードで駆け抜けていく、それらの車たち。でも今回は様子が違い、ブレーキングもコーナリングも立ち上がりも全てフラフラ。きっと当該車両を初めてドライブするドライバーが多いのでしょう。それでももちろん上のクラスなので、ストレートは速い。だから抜きたくても抜けない……このままでは自分の走行ができなくなってしまうので、私は頑張ってその群れを抜こうと試みますが、果たせず。それどころか色々なコーナーでミスを連発してくれて、それを目の前で見ていた私も釣られて一緒にミスをしてしまうなど、思わぬ形で経験不足を露呈してしまいます。
それではということで、ST-Zなどの速い車両がその渋滞を抜くタイミングで、それらに紛れて一緒に抜こうという新たな作戦を試みましたが、私には道を譲ってくれません。どうするべきか悩みましたが、”すぐに上達して、ビュンビュン先に行くだろう”という楽観作戦に切り換え、そのまま走り続けました。
しかしそれは大きな誤算でした。残念ながら渋滞の上達速度は思ったよりも遅く、結局最後まで引っかかってしまい、ようやくピットインして目の前から消えたと思った時には、私のタイヤに大量のタイヤカスが付着。振動がひどく、まったくペースを上げることができませんでした。


結局こんな感じで、この日の私のスティントは不完全燃焼のまま終了。藤原くんがその後の走行を担当し、最後に伊藤くんがセットを調整して終了となりました。
昨年のSUGO公式テストとは異なり、ベストラップでチームメイトと大きく差が開かなかったのは良かったのですが、アベレージラップは話にならないレベルで、混走時の咄嗟の判断力不足が白日の下に晒された、残念過ぎる結果となりました。
今回の件について伊藤くんに相談すると、「思い切って減速し、その車両と間を開けてから自分のペースで走行するべきだった」とのアドバイスをもらいました。普段のスポーツ走行と異なり、スーパー耐久では限られた走行時間の中で結果を出す必要があるのです。
経験不足が浮き彫りになった一日。この日はがっくりした気持ちのままホテルに戻りました。

3月3日 公式テスト2日目
ホテルを出た時は大雨でしたが、サーキットに到着すると吹雪に変わりました。我々は安全を考慮し、撤退を決断。確かにもてぎの開幕戦は雨になる可能性がありますが、吹雪になることはまずないでしょう。各チームも次々と撤退を決めました。
それでも数チームは走行を続け、滑りやすい路面に足を取られ赤旗中断が発生。午後には吹雪が強くなり、走行中止となりました。
